年末年始の金融市場の展望

東証の大納会が終わり、世界の金融市場はこれから年末年始期間に入る。日本では株式・先物市場が終了したものの、海外では明日も開いている株式市場があり金融市場全体で見ればすでに年中無休と言ってもいい。

今年は1・2日が土日

　東証では30日に大納会が終了。これで2021年の日本の株式市場は終了し、先物市場も同様に30日をもって終了した。

　しかし海外の多くの株式市場は31日も取引が行われる。また為替市場や仮想通貨市場など基本的に24時間開いている市場もあり、年末年始でも世界の金融市場が完全に止まることはない。

　2022年は1月1日が土曜、2日が日曜と新年の2日間が週末にあたるため、例年よりは年末年始の影響が小さい。たとえばNY株式市場は例年休場するのは1月1日だけで、12月31日や1月2日は取引が行われる。だが2022年は1月1日が土曜でもともと休みのため、年末年始で休場する日はない。

　12月31日は日本以外にドイツやスイスなどが株式市場が休場する。また1月3日はイギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどの株式市場が休場する。4日火曜は日本が大発会だが、その他の多くの国もこの日までには株式市場が再開となる。

　為替市場は24時間市場であり、週末以外は常時取引が行われる。だがその為替市場も例年1月1日はほとんど取引が行われないのが現実だ。しかし2022年はその1月1日が土曜なので影響がなく、週明け1月3日は通常と大きく変わらない為替市場になることも予想できる。

　そして現在では24時間365日開いている仮想通貨市場もある。仮想通貨市場は土日でも年末年始でも取引が行われるため、年末年始でも一切休場などはない。ただしさすがの仮想通貨市場も、1月1日は取引量がかなり少なくなると考えられる。

　また経済指標は1月3日から多く発表される。3日発表の指標で特に注目するべきは、トルコの12月消費者物価指数だ。トルコではリラが11月後半以降暴落し、12月20日には対円で1リラ＝6円20銭の最安値をつけた。

　21日未明にトルコ政府が発表した政策によってその後リラが猛反発したものの、11～12月のリラ暴落はトルコ国内の物価に深刻な影響を及ぼしている。1月3日発表の12月CPIの予想は前年同月比＋27.28％で、11月の＋21.31％より大きく伸びている。また30％を超えるだろうという予想もある。

　仮想通貨市場は開いているとはいえ、年末年始は多くのトレーダーにとって一息つける時期だ。ここで鋭気を養って2022年のトレードに備えたい。