好調ソラナの背景にミームコイン

仮想通貨のソラナが10月後半以来好調な値動きを続けており、今週21日の上昇で10月前半の水準と比べて4倍近くにもなった。そして好調な値動きの背景に、ミームコインの存在があると見られている。

ミームコインのボンク

　仮想通貨のソラナ（SOL）は、10月後半以降非常に好調な値動きが続いている。もともと10月半ば頃にアメリカでビットコインETFがもうすぐ承認されるとの見通しが高まり、その頃からビットコインを初め仮想通貨市場全般が上昇していた。

　しかしその中にあってソラナの上昇は群を抜いている。ソラナは10月前半には3,300円付近で横ばいだった。そして10月後半以降は他の仮想通貨以上の勢いで上昇し、今週の21日夜には一時12,500円をつけて10月前半の4倍近くにもなった。

　そしてここ数日の上昇で時価総額でリップル（XRP）を抜き、ビットコイン（BTC）、イーサリアム（ETH）、テザー（USDT）、そしてバイナンスコイン（BNB）に次ぐ5位になった。

　ここ2ヶ月ほどの急上昇の要因はいくつかあると見られている。その1つは、ソラナの新しいバリデータクライアント「ファイアダンサー（Firedancer）」のテストが始まるとの見通しが10月後半に高まり、10月末には実際に始まったことが発表されたことだ。

　バリデータとは仮想通貨のステーキングに参加する個人・企業のことで、ファイアダンサーはバリデータを管理するためのソフトウェアになる。

　ソラナの高騰のもう1つの要因に、ミームコインの存在があると見られている。ミームコインとは仮想通貨の中でもジョーク目的で生まれたものを指し、ミームコインの中には特定の通貨の模倣だったり特定の通貨のブロックチェーン上で発行されるといった特徴を持つものがある。

　たとえばドージコイン（DOGE）はビットコインの模倣として生まれたが、世界有数の富豪であるイーロン・マスク氏が何度も推し発言を行ったことなどから台頭し2023年12月現在で時価総額ベスト10に入るほどになった。

　また柴犬コイン（SHIB）というミームコインもあり、これはドージコインを模倣したものと言われる。ドージコインは柴犬をイメージとしており、そのイメージをそのまま通貨名にして生まれた。

　そしてソラナと関係が深いボンク（BONK）というミームコインがあるが、今年11月以降にボンクが暴騰したことがソラナの急上昇につながったようだ。ボンクは今年1～10月には日本円（銭）にして0.004銭程度で推移した後、11月以降暴騰し12月15日には一時0.4銭と10月以前の100倍程度にまでなった。

バイナンス（Binance）やコインベース（Coinbase）といった海外の大手取引所に最近上場されたことが、買い材料になり価格が暴騰したようだ。そしてボンクはソラナのブロックチェーン上で発行されるため、ボンクの暴騰がソラナの買い材料にもなりソラナ高につながった。

　同じブロックチェーン上で発行されたミームコインの上昇が、本家の仮想通貨の買い材料となり価格が上昇するケースはこのソラナ・ボンク以外でも最近時々見られるようになった。