国内5例目のIEOはペンディング状態

2月に国内5例目のIEOとなるエルフトークンの募集が始まり、2月21日頃には抽選と付与も行われた。しかしその後約3週間経っても上場が実施されず、上場日の発表すらされていない。これまで4例でこのように長くかかったことはなく、異例の事態になっている。

2月21日に延期と発表

　企業がトークン（仮想通貨）を発行してそれを仮想通貨取引所を通して不特定多数の投資家に販売し、今後の事業資金とするIEO（Initial Exchange Offering）は、これまで日本で4回実施。そして現在は5例目が進められている。

　5例目のIEOとなったのは、1例目であるパレットトークン（PLT）を発行したのと同じHashpalette（ハッシュパレット）という企業。つまり同社としては2つ目のIEOになり、パレットトークンは上場後に一時販売価格の20倍以上にまで高騰した。

　そして満を持して発表された新しいIEOはエルフトークン（ETF）という仮想通貨。これは2月26日にサービス開始のWeb3ゲーム「THE LAND エルフの森」の中で使われるトークンになる。

　エルフトークンのIEOは2月上旬に発表され、2月9～20日に1枚＝12.5円で募集が行われた。今回売り出されるのは発行枚数の10％にあたる1億枚だった。

　募集は20日で締め切られ、以前から予定されていた通り21日頃には抽選と付与が行われた。当初発表された予定では、2月22日～3月31日の間に上場されるはずだった。

　ところが2月21日に取引所のbitFlyerから「しかし、現在 HashPalette と bitFlyer の間で協議中の事項があることから、本日予定しておりましたエルフトークン（ELF Token）の抽選・決済・付与につきましては延期させていただくことになりました。本件につきましては、当該 IEO の審査を担う一般社団法人日本暗号資産取引業協会（JVCEA）にもご相談をさせていただいております。」と発表された。

　ここで述べている「抽選・決済・付与」に関しては、少なくとも一部の応募者に対しては実施されてエルフトークンが付与されたようだ。しかしその後の上場日程について、この発表以来3週間が経った3月12日になっても何の続報もない。

　つまり抽選・付与が行われてから3週間経ってもまだ上場が実施されていないのだ。これはこれまで4例のIEOではありえなかった事態だ。これまでの4例では、平均して抽選・付与から1週間程度で上場が行われていた。

　それに対してエルフトークンの3週間は非常に長い。そして付与が行われているということは、抽選に当たった投資家は当選分の資金を拘束されている。それにも関わらず上場が行われず、続報すらないのでかなりヤキモキしていることだろう。

　当初の予定では「3月31日までに上場」とされていたので、まだその期限まで2週間以上ある。その予定を守っていないわけではないが、抽選・付与から上場までこれだけ長くかかるのはIEOとしてかなり異例の事態だ。エルフトークンの今後はどうなるのだろうか。