今週はカナダとユーロ圏の政策金利が発表され、また日本やユーロ圏のGDPも発表された。さらに発表された米5月CPIがかなり高い数字でインフレ懸念が台頭したが、株式市場はあまり動きがない1週間だった。
今週は8日火曜に日本の第1四半期GDP改定値が発表され、予想の前期比年率4.8%減に対し発表は3.9%減と予想よりかなり減少幅が少なかった。また同じ日にはユーロ圏の第1四半期GDP確定値が発表され、予想の前年同期比1.8%減に対し発表は1.3%減と日本と同じく予想より減少幅が少なかった。
そして10日木曜にはアメリカの5月CPIが発表され、予想の前年同期比+4.7%に対し発表は+5.0%で2008年以来の高い数字だった。同時に発表されたコア指数も、予想が前年同月比+3.4%、結果が+3.8%で1992年以来の高インフレ率だった。しかしこれは去年の5月の数字が低かった反動でもあり、FRBは「インフレ懸念は一時的なもの」という姿勢を崩していない。
また9日水曜に発表されたカナダの政策金利や、10日に発表されたユーロ圏の政策金利はどちらも予想通りの据え置きだった。
発表された経済指標や政策金利にサプライズがなかったこともあり、今週は株式市場にあまり動きがない1週間だった。
先週金曜のNY市場が上昇した流れを受け、7日月曜朝方の東京株式市場では日経225平均が29,200円まで上昇。しかし7日前場には早くも値崩れして29,000円まで下落し、その後は週を通して29,000円を挟んだ狭いレンジで推移。週足ではわずか7円高で、週の高値と安値の幅も500円未満だった。
NY株式市場ではダウ工業平均が小幅ながら7~9日の3日連続下落。10~11日は上昇したがごく小さい上昇幅で、週足では277ドル安だった。
仮想通貨市場では7日朝には400万円付近で推移していたビットコインが、8日には大きく下落し340万円台になった。しかしこの日夜から9日にかけて400万円付近まで反発し、その後も週末にかけて400万円付近に留まった。
先物市場では世界経済の回復と原油需要増大見通しを受け、今週も原油が堅調だった。週明け直後に2018年以来となる70ドルをつけ、その後一旦68ドル台まで後退したが8日にブリンケン米国務長官が「米がイラン核合意に復帰しても制裁は続けられる」と発言したことなどを材料に週後半も上昇。11日には一時71ドルもつけた。
来週は日本、アメリカ、スイス、トルコの政策金利が発表される。しかし全て予想は金利据え置きで、サプライズになる可能性は高くない。来週もまた株式市場は材料難な1週間になるかもしれない。
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