今週の株式・外国為替市場の動き総括、2月22～26日

今週発表された経済指標や政策金利はほぼ予想通りの数字で、株式市場では先週までの堅調な地合が継続するという期待があった。しかし実際には週後半に株式市場は下落し、先週までの超強気相場が終わり調整に入った感がある。

金曜に日経が1,202円下落

　今週は重要な発表がいくつかあった。経済指標としては23日火曜にユーロ圏の1月消費者物価指数が発表され、予想通りの前年同月比＋0.9％だった。24日水曜にはドイツの第4四半期GDP改定値が発表され、予想の前年同期比3.9％減に対し発表は3.7％減とややマイナス幅が少なかった。

　25日木曜にはアメリカの第4四半期GDPが発表され、予想の前期比年率4.2％増に対し発表は4.1％増だった。そして26日金曜にはアメリカの1月個人消費が発表され、予想が前年同月比1.4％増、結果が1.5％増だった。

　政策金利としては24日にNZ中銀が発表し、予想通りの0.25％据え置きだった。また24日にはFRBのパウエル議長が米下院で証言し、米経済の回復には長い時間がかかることや、緩和政策を長期間続けていく姿勢を確認した。

　今週の金融市場では、先週まで堅調な地合だった各市場が崩れた。仮想通貨市場では先週までビットコインが高騰し、今週の22日月曜未明には610万円を越えて史上最高値をつけた。

　しかし先週末にテスラのイーロン・マスクCEOがビットコイン価格を「高いと思う」と発言したことなどが売り材料となり、22日から23日にかけて大きく下落。23日には500万円を割った。その後一旦リバウンドして25日には550万円を回復したものの、週末にかけてまた下がり28日日曜には23日の安値より低い460万円台まで下がってきている、

　ビットコインの下げや長期金利の上昇によって、今週は株式市場も大きく崩れた。23日が天皇誕生日で4営業日だけだった東京株式市場は、22日は大きく動かなかったが休場明けの24日に日経225平均が485円下落し30,000円を割った。

　翌25日には前日の下げ幅をほぼ取り返す上昇を見せ立ち直るかに見えたが、26日には歴代10位の下げ幅となる1,202円安で終了。この日は日銀が2月になって初となる500億円のETF買い入れも行った。

　NY株式市場も同様に崩れ、22・23日には大きく動かなかったダウ工業平均は24日には424ドルも上昇。この日には一時32,000ドルをつけた。しかし25日と26日の2日連続で大幅下落し、2日間の下げ幅は約1,000ドル。週足でも562ドル安だった。

　為替市場では米長期金利の上昇を受けて米ドル/円が上昇し、週後半には昨年8月以来となる106円台後半をつけた。

　来週は米2月ADP雇用統計と2月雇用統計が発表される。またオーストラリアの政策金利発表もある。しかしこれらの材料以上に、今週までの長期金利高や今週後半の株安が継続するかどうかが気になるところだ。