今週の株式・外国為替市場の動き総括、10月19～23日

今週は経済指標・政策金利発表に重要なものは少なかった。また政治的には11月3日の米大統領選が近付いてきており、大統領選以外の材料は少ない週だった。結果として株式市場にはあまり動きがない1週間のままで終了した。

株式市場は日替わりで上下

　今週は重要な経済指標発表は少なかった。19日月曜には中国の第3四半期GDPが発表され、予想を0.3ポイント下回る前年同期比＋4.9％と予想は下回ったが中国経済の回復を示す数字が出た。

　23日金曜には日本の9月CPIが発表され、生鮮食料品を除く数字で予想より0.1ポイント高い－0.3％だった。ただしこれには昨年10月の消費税増税の影響が入っており、増税の影響を除くと－0.7％ともっとマイナス幅が大きい。

　また22日にはトルコの政策金利が発表され、予想は1.5～2％程度の利上げだったがサプライズで10.25％のまま据え置きが発表された。

　政治的材料では米大統領選の投票が11月3日でだんだんと近付いている。またアメリカでは追加景気対策を巡って民主・共和両党が協議を続けており、景気対策関連の報道や政治家の発言で市場が上下する日々が続いた。

　しかし週を通して見ると株式市場は比較的動きの小さい1週間だった。NY株式市場は19日に追加景気対策成立に悲観的な発言があり、ダウ工業平均は411ドル下落。だが20日火曜以降は日替わりで上げ下げが続き、週足では271ドル安だった。

　東京株式市場も同様で19日は日経225平均が261円上昇したものの、翌日以降は上げと下げが交互に続き週足では106円高と小幅高だった。

　為替市場では今週も米ドルは軟調な動きが続いた。週開始時点では105円台半ばにあった米ドル/円は、特に週半ばに大きく下落し一時は104円台前半をつけた。しかし今年3月以来の103円台には突入せず、その後は週後半にかけて104円台で推移。週の終値は104円70銭付近だった。

　すでに述べたようにトルコ中銀が22日にサプライズで金利据え置きを発表し、利上げ期待が高まっていた市場にとってはサプライズとなった。利上げ期待から週前半のトルコリラは上昇が続き、対円で政策金利発表前には13円40銭台を回復。しかし金利据え置きが発表されると13円10銭台に急落し史上最安値を更新した。また対米ドルでも金利据え置き発表後に1ドル＝8リラに近付いてリラ最安値を更新した。

　仮想通貨市場では今週もビットコインが上昇。月曜朝時点では120万円だったレートが週を通して上昇し、他の金融市場が閉まっている週末には140万円に近づいて2019年7月以来の高値をつけた。

　来週は日本やカナダ、それにユーロ圏の政策金利が発表される。また29日木曜には米第3四半期GDPが発表され、前期比年率＋31.8％と空前の増加が予想されている。ただし増加そのものはすでに織り込んでおり、あとは予想からどれだけ離れるかの問題になるだろう。