今年になってから新興国通貨が特に米ドルに対して大きく下落し、新興国は通貨危機に陥る国も出るのではないかと危惧された。しかし5月中旬以降はそのトレンドが反転し、新興国通貨危機の懸念は一旦遠のいている。
2020年になってCOVID-19(新型コロナウイルス)が世界的に大流行し、世界の政治、経済、社会といったあらゆる面が大きく影響された。
金融市場もCOVID-19の影響からは逃れられず、2月下旬から3月下旬にかけて世界の株式市場が大暴落となった。そして株式市場の暴落と同時に為替市場で起こった動きがある。それは資金が新興国から逃げ出し、米ドルに戻ってきたことだ。それによって今年になってから米ドル高・新興国通貨安が目立っていた。
このような動きは米ドルと新興国通貨のチャートを見るとわかる。例えば米ドル/トルコリラを例に挙げると、今年開始時点では1ドル=5.9リラだった。年明け後リラの下落が続き、株の暴落となった3月以降はそれが加速。
株の暴落が止まった4月になっても米ドル高・リラ安は止まらず、5月にはついに2018年8月のリラ暴落時につけた7.1リラの安値を更新。5月7日には7.2リラの史上最安値をつけた。
とはいえその後トルコ政府が国内の外資系銀行3行に対してリラと外貨の取引を禁止し、この措置によって一旦リラ安は止まった。その後、6月2日までの約1ヶ月間はリラの反騰が続き、2日には6.7リラ台になった。
5月7日から6月2日までの約1ヶ月間、トルコ政府や中銀はそれほど多くのリラ防策を出したわけではなかった。それどころか5月21日には中銀が0.5%の利下げも発表したが、それでもリラは大きく下落しなかった。
この背景として、5月になって日本やアメリカ、それに欧州各国が経済再開に向けて動いたため、それまでの米ドル買い・新興国通貨売りとは逆の動きが広がったことがあると見られている。
実際に5月以降は米ドルに対して上昇に転じている新興国通貨が多い。例えばメキシコペソは、5月1日時点で1ドル=25ペソだったがその後は米ドル安・ペソ高が続き、6月2日時点で21ペソ台になった。
ブラジルレアルも5月14日まで米ドルに対して下落が続き、14日には1ドル=6レアルに近付き史上最安値を更新。しかしその後はレアル高になり、6月2日には5.25レアルにまで値を回復している。
しかしもちろん全ての新興国通貨が同様の動きをしているわけではない。アルゼンチンペソは5月以降も米ドルに対して下落が続き、6月2日現在で1ドル=68.4ペソの史上最安値付近で推移している。アルゼンチンは5月22日にデフォルトを発表したので、通貨ペソが上昇できるような材料はないと思われる。
このように例外もあるがおおむね5月以降は新興国通貨の回復が続いている。しかしそれは経済再開期待があるからで、今後何らかの理由で経済が再度自粛、あるいは落ち込む見通しになったら、また新興国通貨は下落に転じると予想できる。
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