メタは大復活で時価総額1兆ドルを大きく超える

2日早朝に発表されたFacebookの運営会社・メタの10～12月期決算は好調な数字で、発表後のNY株式市場で同社の株は20％も暴騰して時価総額は1兆ドルを大きく超えていった。メタは2022年秋頃に株価が現在の5分の1未満の88ドルまで下がったが、そこから大復活を遂げたことになる。

初の500ドルに接近

　SNSのFacebookを運営するメタ・プラットフォームズ（銘柄コード：META、以下「メタ」）が、1日のNY株式市場終了後（日本時間2日早朝）に10～12月期の決算を発表した。

　その内容によると売上高は前年同期の322億ドル（約4兆7650億円）から25％増の401億ドル（約5兆9350億円）で、市場予想の390億ドル（約5兆7700億円）を上回った。

　純利益は前年同期の46億5000万ドル（約6,880億円）から201％増と約3倍の140億ドル（約2兆700億円）。EPS（1株あたりの利益）は5.33ドルで、市場予想の4.97ドルを上回った。

　日間アクティブユーザー（DAU）や月間アクティブユーザー（MAU）も前年同期から数％ずつ伸び、関連サービスも入れたMAUは約40億人と地球人口の約半分が何らかの関連サービスを使っていることになった。

　増収増益で市場予想も上回った決算を受け、2日のNY株式市場でメタ株は暴騰。1日を394.78ドルで終えた同社の株は、2日は開始直後から15％近く高い値をつけ、終値は20％高の474.99ドルだった。

　メタは世界でわずか8社の「時価総額1兆ドル超え」を経験した企業の仲間入りを最近果たした。この8社とはGAFAMと呼ばれるうちの残り4社、アルファベット（Google運営）、Apple、Amazon、マイクロソフト、そしてそれ以外にはテスラ、サウジアラムコ、エヌビディアの合計8社。

　しかしメタは2022年に株価が急落し、一時は「GAFAMの一弱」と呼ばれたこともあった。

　メタはFacebookとして2012年に上場し、その後は順調に株価が上昇。2020年以降のパンデミックによる巣ごもり特需と、各国の膨大な緩和を受けて2020～21年には上げ足を速め2021年8月には一時380ドルをつけた。

　しかしその後、だんだんと生活が巣ごもりから元に戻ってきたことや、2022年に米FRB

や他国中銀がハイペースで利上げを行ったことなどを受け急落。2022年11月には88ドルと2021年の高値から77％安となった。

　メタ社は2021年夏に「これからはメタバース事業を基幹事業にする」と発表し、同年秋に社名を現在のメタに変更した。だがメタバース事業はその後伸びず赤字が続き、メタバース市場に限れば今期も46億5000万ドル（約6,900億円）の赤字とまだ黒字化できていない。

　しかしメタは2022年秋に1万1000人の大規模リストラ計画を発表し、2023年にも追加リストラを1～2回行った。これらの人員削減によるコストカットが収益の改善につながり、株価も2022年の安値から5倍以上という大復活につながったと思われる。

　メタの勢いはとどまるところを知らないが、最近はアメリカを初め各国で青少年がSNSにハマり過ぎてさまざまな弊害が出てきていることが問題となってきている。このような動きによってSNSが規制されることが、今後逆風になる可能性は残る。