ビットコイン関連通貨が次々と半減期

ビットコインから派生した仮想通貨・ビットコインキャッシュとビットコインSVが、8日から10日にかけて次々と半減期を迎える。これは来月に半減期を迎えると言われるビットコインの値動きを占うものとなるだろうか？

半減期は約4年に1度

ビットコインなど多くの仮想通貨には半減期が存在する。半減期とは仮想通貨取引にコンピューターのリソースを提供することで報酬がもられる「マイニング」とも関連している。

マイニングを行うと報酬がもらえることはすでに述べたが、ずっと報酬を払い続けると仮想通貨が無尽蔵に発行され価値が下がっていく。それを避けるために、一定期間の後にマイニングの報酬が半分にされると決まっている通貨がある。これが半減期だ。

ビットコインの半減期の仕組みを説明すると、取引によって生成されるブロックの個数で決まる。このブロックは約10分に1個生成され、これが21万個になると半減期を迎える。つまり約210万分ごとに半減期になるのだが、210万分は約4年なので4年に1回になる。

そしてビットコインの派生通貨2つが、今週に半減期を迎える。その2つとは、2017年にビットコインから分裂したビットコインキャッシュと、2018年にキャッシュから分裂したビットコインSVのこと。

キャッシュの方は日本時間で4月8日水曜の午後8時過ぎに半減期を通過した。なおキャッシュが2017年に誕生した通貨ならまだ4年経っていないと思われるかもしれないが、半減期は分裂元であるビットコインのサイクルを引き継ぐ。ビットコインの前回の半減期は2016年7月だったので、それから4年近く経った今週がキャッシュの半減期になった。

そして8日のキャッシュの動きを見ると、朝方には27,500円付近にあったが午前11時から正午頃に10％ほど急騰し30,000円を超えた。しかしその後は反落し半減期の午後8時過ぎには29,000円付近になり、9日未明以降は29,000円付近で上下している。

8日午前11時過ぎには他の主要仮想通貨も上昇しており、上がったのはキャッシュだけではない。したがってこの上昇を半減期のための上昇と言い切ることは難しい。

さらに日本時間の10日正午前後に、今度はビットコインSVが半減期になると予想されている。SVも2018年にキャッシュから分裂してできた通貨だが、半減期までのサイクルはビットコインやキャッシュのものを引き継いでいるために、今週の半減期となる。

SVも8日朝方の20,200円前後から、午前11時過ぎに急騰して24,000円をつけた。その後は9日にかけて23,000～4,000円で推移している。

キャッシュとSVにとって本家であるビットコインも、来月の5月には半減期を迎えることが予想されている。ビットコイン、キャッシュ、SVはもともと1つの仮想通貨だったのが分裂して3つになったものであり、ほぼ同じ時期に半減期を迎えることは何ら不思議ではない。半減期の前後に上昇するという期待もあるようだが、仮想通貨のレートはその期待通りに動くとは限らない。