ビットコインキャッシュが70％も大暴騰

著者鳥羽賢

2024年3月3日

ビットコインから2017年に分裂してできたビットコインキャッシュは、これまでビットコインほど注目される仮想通貨にはならなかった。しかし今週末の2日から3日にかけて突然70％近くも大暴騰して仮想通貨市場を驚かせている。

半減期の影響か!?

　ビットコイン（BTC）からはこれまでハードフォーク分裂でいくつかの新しい通貨が生まれてきた。まず2017年8月にはビットコインキャッシュ（BCH）が分裂して誕生。その直後の2017年10月にはビットコインゴールド（BTG）が同様に分裂した。

　さらに翌2018年11月には、今度はビットコインキャッシュから分裂する形でビットコインSV（BSV）が生まれた。

　これら3つの仮想通貨は名前に「ビットコイン」と入っている。仮想通貨の王者であるビットコインと同じ名前を冠しているために知名度の面では有利かもしれないが、ビットコインに比べると普及度は低い。特にビットコインゴールドは2024年3月現在の時価総額は1,000億円程度で200兆円近くあるビットコインの1000分の1にも満たず、仮想通貨の時価総額ランキングでも100位にも入っていない。

　以上の3通貨の中では比較的健闘していたビットコインキャッシュも、最近まで時価総額ランキングでは20位前後とビットコインに比べると格下の存在だった。

　ところがこのビットコインキャッシュが、今週末の3月2日から3日にかけて突然大暴騰して市場を驚かせた。2日土曜早朝時点ではまだ47,000円台だったレートだが、仮想通貨以外の金融市場が終了した後の午前9時頃から突然暴騰を開始。

　その時点から3日日曜の午前中にかけて一貫して上げが続き、特に2日午前中、2日午後8時頃、そして3日午前8時頃の3回急上昇。3日正午過ぎには一時79,000円をつけ、暴騰前からの24時間余りで70％近い上昇率となった。

　突然ここまで暴騰した理由はいくつか考えられている。まずはビットコインキャッシュに半減期が近付いているということ。本家ビットコインには約4年に1度半減期があり、次の半減期は今年3～4月に来ると予想されている。

　そしてビットコインから分裂して生まれたビットコインキャッシュは本家とほぼ同じ時期に半減期を迎え、今年4月上旬頃になると予想されている。「半減期になると価格が上がる」との通説があるため、価格上昇を見越した買いが入ったと見られる。

　また仮想通貨を大量に持つ大口投資家は「クジラ」と呼ばれる。そして最近になって、ビットコインキャッシュのクジラによる動きと思われる約23万5000万枚もの送金が観測された。この送金によってビットコインキャッシュの注目度が高まり、それもまた買い材料になったと見られる。

　まさに突然の暴騰劇だったが、仮想通貨市場が上昇している時期はこのようにある通貨が突然暴騰することがある。次に暴騰するのはどの通貨だろうか？

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