トルコでは3月にエルドアン大統領の政敵であるイスタンブール市長が逮捕され、その後全土で抗議デモなどが行われている。不安定な政情を受け4月にかけてトルコリラは最安値の更新が続いた。4月下旬以降にようやく落ち着いてきたが、今後もリラの大幅反発は難しいと予想される。
トルコの通貨・リラは、歴史的に価値が安定していない。20世紀から常に国内の高インフレ(年間50~100%)とリラ安が続いており、2005年にはそれまでの100万リラを新1リラとするデノミを実施した。
このデノミの効果もあってその後しばらくは比較的リラの価値が安定していた時期もあったものの、2010年代になってからまたリラは大きく下げるようになった。
一方日本のFXではトルコリラは高金利通貨として知られている。トルコはリラの価値を支えインフレを抑制するために、政策金利を数十%と非常に高い水準にしていることが多い。金利がその水準ならFXでトルコリラ/円を買った時にもらえるスワップ金利も非常に高くなり、スワップ金利だけ見るとトルコリラを買って保有していれば自動的にかなりの利益が出るように見える。
しかしこれは罠でもある。確かにトルコリラのスワップは大きいが、金利を高くしているのはリラの価値が不安定で常に下落のリスクに晒されているためだ。現に10年前の2015年当時は1リラ=45円だったレートは、現在では10分の1未満の3.7円台にまで下がっている。
スワップ金利は現在のレートを基に計算されるので、レートが10分の1になると政策金利水準が同じだとしてももらえるスワップは10分の1になる。10年前からトルコリラ/円の買いポジションの保有を続けていたとしても、マイナスになっているケースが多いであろう。
そして今年の春になって、またトルコリラの売り材料が出た。3月19日に最大都市であるイスタンブールのイマモール市長が、当局によって突然犯罪組織との関わりや収賄などの容疑で逮捕された。
イマモール市長はトルコの次期大統領選で、野党・共和人民党(CHP)の公認候補になる人物と見られていた。現職のエルドアン大統領は与党・公正発展党(AKP)だが、次回の大統領選ではイマモール氏が最大のライバルになると予想されていた。そのため突然の逮捕はエルドアン大統領が政敵排除に動いたと見られ、逮捕後は全土で抗議デモなどが拡大している。
逮捕前のトルコリラは1リラ=4円だったが、逮捕後約1ヶ月は下げが続き4月後半には3.6円台の史上最安値をつけた。その後は5月にかけて安値更新はなくやや落ち着いたが、力強いリバウンドはない。
イマモール市長は逮捕後現在まで釈放などはされておらず、刑事裁判が始まろうとしている。エルドアン政権はイマモール市長のX(旧Twitter)をブロックするなど法廷外でも弾圧を続けており、また大規模な抗議デモも続いている。
政情は不安定な状態が続いており、今後もトルコリラが大きく反発することは難しく安値更新が続くことは十分考えられる。
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