W杯期間中に下落が続くチリーズ

チリーズというスポーツチームの応援に特化した仮想通貨がある。現在はサッカーW杯の開催期間なのでチリーズの価格も上昇するかと思われたが、その期待に反してW杯のスタート後ずっと下がり続けている。

プロチームのトークンを発行

　チリーズ（CHZ）という仮想通貨がある。これは普通の仮想通貨と違い、世界のスポーツチームの応援を目的に作られた。

　他の一部の仮想通貨のように、チリーズには同名のプラットフォームがあり、「Chiliz Exchange（チリーズ取引所）」という取引所もある。この取引所における共通通貨として使われているのがチリーズだ。

　チリーズはそのブロックチェーンを使い、プロスポーツチームのトークンを発行している。例えばイタリアのサッカーチームであるユベントスのトークン「ユベントスファントークン（JUV）」がある。それ以外にも同じイタリアのASローマや、スペインのFCバルセロナのトークンも発行している。

　サッカー以外にも、NBAバスケチームやF1チーム、NHLアイスホッケーチームなど様々なスポーツチームのトークンを発行している。

　トークンを保有することで応援するチームに関連するいろいろな特典を受けられる。例えばトークンホルダー限定のイベントに参加したり、グッズの購入権を得たり、さらにユニフォームのデザイン決定への投票権など運営に参加する権利も得られる。

　発行されたトークンはChiliz Exchange上で売買できるため、ファントークンが多く発行されて取引量が増えればそこの共通通貨としてのチリーズ（CHZ）の必要性が高まることになる。

　そして11月20日からカタールでサッカーのW杯（ワールドカップ）が開催されている。W杯は4年に一度のスポーツの祭典で、世界の多くの人が注目する。この期間中はスポーツが盛り上がるだけに、チリーズの価格も上がるのではないかという期待があった。

　しかし現実はその反対だった。チリーズは11月7日に43円、直後の9日に22円と乱高下した後上昇し、W杯開幕直前の19日には38円をつけた。しかし19日と開幕日の20日に27円まで約30％も暴落。その後も下げが続き、12月9日には20円付近で推移している。11月19日から見るとなんと半分近くにまで大暴落してしまった。

　W杯期間中はサッカーを中心としてスポーツが盛り上がるのでスポーツ通貨であるチリーズの価格も上がるという期待に反し、実際には暴落してしまった。仮想通貨の動きは実に予想が難しい。