Twitterの決算が好調で株価も上昇

短文投稿サイトのTwitterが22日のNY株式市場終了後に4～6月期の決算を発表。パンデミックによるネット需要増の流れに乗り、売上高は前年同期比74％増。純損益も黒字と好調な決算だった。この決算を受け、23日のNY株式市場では同社の株が上昇している。

上場以来の高値に迫る

　トランプ前米大統領も使っていた短文投稿サイトのTwitter（銘柄コード：TWTR）が、22日のNY株式市場終了後（日本時間23日早朝）に4～6月期の決算を発表した。

　その内容によると、売上高は前年同期比74％増の11億9000万ドル（約1,300億円）で、アナリスト予想の10億7000万ドル（約1,180億円）を上回った。

　また純損益は前年同期が13億8000万ドル（約1,500億円）の赤字だったのに対し、今期は6,560万ドル（約72億円）の黒字と黒字化に成功した。EPS（1株あたりの利益）は、0.08ドルだった。

　しかしアメリカには公式な会計基準に従った決算であるGAAPベースの決算の他に、非公式の決算として非GAAPベースの利益額を発表する企業が多い。非GAAPベースでは今期のEPSは0.2ドルと発表され、アナリスト予想の0.07ドルを大幅に上回った。

　Twitterはもともと赤字体質の企業で、2013年に上場して以来しばらくは赤字が続いてきた。2018年頃になってようやく上場以来初の黒字化を達成したものの、すでに述べたように2020年4～6月期は売上高の約2倍の赤字で終わるなど苦戦が続いていた。だが翌2020年7～9月期には黒字に転換し、そこから今期まで4四半期連続黒字で終わった。

　そしてTwitterはDAU（日間アクティブユーザー）の中でも、広告を閲覧する売上につながるmDAUの数を発表している。2021年4～6月期のmDAUは、前年同期の1億8600万人から11％増の2億600万人だった。

　来期以降の見通しについては、7～9月期の売上高は12億2000万ドル（約1,340億円）から13億ドル（約1,430億円）の間になると予想。ただしGAAPベースの営業損益は、5000万ドル（約55億円）の赤字から損益ゼロの間になるとの予想だった。

　今期に売上が大きく伸びて黒字転換に成功したのは、前年同期はパンデミックのために巣ごもりによるインターネット需要が増えたものの広告料収入も減少していたが、今期になって広告料収入が回復できたことを理由に挙げている。またTwitterは今年になって創業以来初となる有料サービスを開始し、今後の収益改善につながると期待されている。

　好調な決済内容を受け、Twitterの株は23日のNY株式市場で序盤から堅調な動きを見せている。22日は69.57ドルで終了した同社の株は、決算の発表後時間外市場ですでに4～5％高い水準で取引。そして23日のNY株式市場序盤でも、70ドル台から72ドル台と前日より数％高い水準で推移している。

　Twitterは上場から数年間は赤字体質のため株価もなかなか上がらず、15～30ドルで推移していた。しかし業績の改善や米株式市場全体の上昇を受けてここ1～2年は上昇し、23日にはすでに70ドルに到達した。上場直後につけた最高値の74ドルの更新もそう遠くはないだろう。