日経225平均とTOPIXの倍率を表す数字・NT倍率が、特に去年になってから急激に上昇している。今週になってNT倍率は13.8倍まで上がり、1997~98年頃以来約20年ぶりの高い数字になった。NT倍率がここまで上昇しているのはどういうことだろうか?
日本の株式市場を代表する2つの指数に日経225平均とTOPIXがある。そしてこれらの倍率を表す数字をNT倍率という。式で書くと単純に「NT倍率=日経225平均/TOPIX」となる。
そしてこのNT倍率が、特に2018年頃から急上昇している。21世紀に入ってから、2001~09年頃にはNT倍率は10倍前後で推移していた。それが2010年以降になって少しずつ上昇し、2017年末頃には12.5倍に。2018年以降になるとさらに上げが加速し、今年の5月10日には13.8倍になった。NT倍率の13.8倍は、1997~98年頃以来約20年ぶりの高い水準となる。
とは言えこれが史上最高値というわけではない。1990年頃のバブル末期には、NT倍率は14倍まで上昇していた。そのまま90年代は12~14倍で上下しており、むしろ2000年を過ぎてから急激に下がってきたのだ。
では最近のNT倍率の上昇の裏では何が起こっているのか?その点について語る前に、日経225平均とTOPIXの算出方法を改めて確認した方がいい。日経225平均は、東証1部上場銘柄の中から選定された225銘柄を元にして算出される。
日経225平均は、基本的には全銘柄の単純平均で計算される。しかしそれでは各銘柄の額面の違いが考慮できず、また株式分割時に不必要に指数が大きく動いてしまう。そのためこれらの要因は考慮され調整されるようになっている。
だが基本的な算出法は全銘柄の単純平均であるため、株価の高い銘柄の寄与度が高くなる傾向がある。例えばファーストリテイリング(ユニクロ)は5月10日現在の株価が6万円以上と高いので、日経225平均への寄与度も高く10%以上を占めている。
一方TOPIXは東証1部に上場している全銘柄の時価総額から算出し、1968年1月4日時点を100として、その時点との相対値で表される。日経225平均には「円」という単位がつき、TOPIXは「円」ではなく「ポイント」とつけられているのはそのためだ。そして時価総額から算出される以上、TOPIXは時価総額の大きい大手自動車メーカーやメガバンクの寄与度が高くなる。
これがNT倍率が上昇していることを説明するためのポイントで、つまり日経225平均への寄与度が高い銘柄は最近買われて上昇し、一方でTOPIXへの寄与度が高い自動車株や銀行株などがあまり変われていないということになる。
実際に銀行株は最近低調な銘柄が多い。それは日銀が異次元緩和を続けて超低金利が長期化しているため、銀行の収益が圧迫されていることが理由の1つ。またインターネット銀行やコンビニ銀行など新しい銀行形態の台頭で、既存の銀行はビジネスモデルが古びていることもある。実際にメガバンクのリストラの話はよく出ている。
それと同時に、日銀が異次元緩和政策の一環としてETFを年間6兆円も買っている点も無視はできない。日銀が買っているのは主に日経225平均の採用銘柄なので、当然ながら日経225平均採用銘柄の株価は上がり、指数自体も上がりやすくなる。
NT倍率が上昇したから特定の銘柄が上がり、別の銘柄は下がるということはない。だが現在の株式市場のトレンドを表す数字の1つではあるだろう。
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