FXCMジャパンが個人向けCFD業務を停止

日本でFX業務を行っているFX海外業者の大手・FXCMジャパンが、今年9月に個人顧客向けCFD口座の新規受付を停止した。同CFDサービスは、今年12月20日をもって取引終了となる。

もともとCFDは日本でそれほど一般的ではない金融商品だった。しかしここ10年には、FXや指数先物などレバレッジをかけた金融商品の人気が高まり、それを追いかけるようにここ数年でCFDサービスを提供する業者が増えてきた。

しかしCFDが金融商品として日本で人気になったかというと、それほどでもないのが現状だ。日本では規制のために、CFDを提供する業者は、株やFXとは別の口座として提供しなければならない。したがって、それらは全て別口座として数がカウントできる。株の場合、大手証券会社なら数百万の口座を抱えている。また大手FX業者は、数十万口座を持っていると言われる。しかしCFDの場合、多い業者でも数万程度だ。

これが日本のCFD業界の現状だ。そしてFXCMジャパンは、「経営合理化の一環」という理由で、CFDサービスの提供停止を発表した。なお停止は個人顧客対象のCFDのみで、法人やプロ投資家相手には今後も提供する。

ただFXCMジャパンはそれほど個人投資家相手のCFD業務に力を入れていたわけではない。FXCMジャパンが提供していたCFDの銘柄は、金、日経225平均、ダウ工業平均のわずか3銘柄のみだ。銘柄数が少ないこともあり、それほど口座数は増えなかったものと考えられる。業者によっては数十銘柄のCFDを提供しているので、それと比べるとやはり銘柄数の少なさは不利となる。

同じレバレッジ金融商品でも、FXや指数先物と比べてCFDの知名度はまだ低い。今後CFDが普及するためには、業界全体での努力が求められる。