FTX破綻の影響が大きいソラナ

ソラナという仮想通貨があるが、この仮想通貨には先週破綻したFTXが多額の投資をしていた。そのためFTXの破綻の影響が大きく、ソラナはFTX懸念が出る前から17日までに60％も暴落してしまった。

昨年11月から10分の1未満に

　ソラナ（SOL）という仮想通貨があるが、これは2020年に登場したばかりの比較的新しい仮想通貨。しかし登場と同時に支持が広がり、またちょうど2021年の仮想通貨ブームになったため去年11月には30,000円に近付いて史上最高値をつけた。そして一時は時価総額ランキングでもベスト10に食い込んだ。

　しかしこのソラナは、先週11日にアメリカで連邦破産法第11条の適用を申請して倒産した海外仮想通貨取引所のFTXから多額の投資を受けていた。FTXの出資を受けてソラナのネットワーク上にはDEX（分散型取引所）のSerum（シーラム）が構築され、2021年からサービスを開始した。

　ソラナに対してはFTXとしてだけではなく、元CEOのサム・バンクマンフリード氏個人もかなり明確に支援しており、自身のTwitterでもソラナへの支持を何度も表明していた。

　ソラナは新星のように2020年3月に登場してからレートが急上昇した。立ち上げ直後の2020年前半にはまだ日本円で100円未満だったが、2021年になってから高騰。秋になるとFTXが出資してSerumがサービスを開始したことで暴騰し、11月には30,000円に近付いた。

　だがその後去年暮れから今年にかけ、仮想通貨バブルが弾けて市場は暴落。ソラナは市場平均以上に暴落して、今年6月から最近まで5,000円前後で推移していた。11月初頭にはまだ5,000円付近を維持していたものの、11月にFTX懸念が高まり倒産すると大暴落し、今週は2,000円付近と今月だけで60％安となった。

　最高値の30,000円近くをつけたのが去年の11月上旬なので、わずか1年あまりで10分の1未満に暴落したことになる。惨憺たる状況だが、ソラナ自体の破綻はなく今後も存続するだろう。

　ソラナを運営するソラナ財団も、FTXの破綻後に「影響はあまりない」という声明を出している。60％も暴落しているので影響がないわけではないが、レートは下がっても今後の運営にまで支障は出ていない。

　どちらかと言えば、2021年8月～22年5月の10ヶ月間の高騰は、FTXとフリード元CEOの支援を受けた「バブル」だったように思われる。今はFTXの支援がなくなったのであるべきレートに戻っただけだ。それでも仮想通貨の時価総額で13位につけているので、ソラナの真価が問われるのはこれからなのではないか。