3月に台頭した米金融不安は、今週になってファースト・リパブリックが破綻したことで再燃している。そして6月1日以降は債務上限問題によって米がデフォルトするリスクもあり、5月の市場は金融不安と米債務上限問題という2つの爆弾を抱えることになる。
3月に台頭した欧米の金融不安によって、市場では円高・株安が進行した。しかし破綻したSVB(シリコンバレー銀行)などが買収されたことで、4月には市場はやや落ち着きを取り戻した。
ところが今週になると今度は米地銀のファースト・リパブリックが破綻し、金融不安が再燃することとなった。
そしてこれから市場はもう1つの爆弾を抱えることになる。それはアメリカ政府の債務上限問題だ。債務上限問題はここ10~20年で何度も浮上してきており、2011年夏にはこの問題のため米国債が格下げされ、株価が暴落する事態になった。
債務上限への対処法はたとえば「これまでの10兆ドルから12兆ドルに引き上げる」という形で上限を引き上げることもあるし、「20〇〇年〇月〇日まで上限を撤廃する」のように時限的に上限を撤廃することもある。
最後の措置は2021年12月に実施され、上限はそれまでの28兆9000億ドル(約3,930兆円)から2兆5000億ドル引き上げられ、現在の31兆4000億ドル(約4,270兆円)となった。しかし今年の1月19日に債務額が上限に到達したことで、また次の措置が必要になった。
その後は臨時の財務措置で米政府の予算を回しているのだが、イエレン財務長官によると「6月初旬に」その臨時措置の限界がくるという。6月初旬ということは、早ければ6月1日になる。それまで、つまり5月中には債務上限引き上げの新たな法案を議会で通過させなくてはならない。
ところがそれがかなり難しい状況にある。現在の米議会は下院は共和党が多数派だが、上院は民主48、共和49、無所属3という状況にある。この無所属3議席は民主党系の議員で、中には2016年の大統領選民主党予備選でヒラリー・クリントン氏と公認候補を争ったバーニー・サンダース氏もいる。つまり事実上は民主党が多数派で、上下院でねじれ状態にある。
さらに5月29日にはアメリカではメモリアル・デーという戦死した人々を追悼する祝日があり、上院は18日か19日から29日までメモリアル・デーの休暇のためずっと休会する。また下院は別の理由で8日まで休会しており、9日から再開される。つまり上下院が揃うのは9~18日頃しかない。
今後のスケジュールとしては、まずバイデン大統領と上下院が揃う最初の日である9日に、大統領と民主・共和党のトップが会談を行う。その後上院が休みに入る19日頃までに法案を通せるのが理想なのだが、実際はかなり難しい。
共和党が多数派の下院では、4月26日に債務上限を1兆5000億ドル引き上げる法案を可決した。だがこの法案はバイデン大統領が打ち出した学生ローン減免の撤回など、歳出削減を条件としている。民主党はこの法案に賛成しておらず、修正されずに上院を通過するのは難しいと見られる。
場合によっては上院のメモリアル・デー休暇をなくしたり、5月19~21日の広島G-7サミットへのバイデン大統領の出席キャンセルによって債務上限問題への対処が必要になる。問題が解決できないまま6月になると最悪デフォルト(債務不履行)になるため、5月中は債務上限問題によって市場が大変動することも十分考えられる。
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