5月に入ってからビットコインが超乱高下

インターネットで生成される仮想通貨・ビットコインが、5月の1ヶ月間でこれまでにないほどの乱高下をしてきた。値動きの激しさにつられて売買をしたいと思う人もいるかもしれないが、かなりハイリスク・ハイリターンな取引となるだろう。

ビットコインの過去記事はこちら。

4月に法令施行で投機増

ビットコインはインターネット上で自動的に生成される仮想通貨で、2009年頃に生まれてそれから少しずつ普及してきた。毎年一定量が自動的に生成されることになっており、だんだんと生成量が減るのでインフレにはならないようになっている。

日本でも普及が進んできたが、2014年の春にそれまで取引所を運営していたマウントゴックス社が破産。この時投資家が購入したビットコイン・約100億円分が消失するという事件も起こっている。

この事件のために、日本におけるビットコインの普及は一時減速する。しかしその後は他の取引所も立ち上げられ、また普及が軌道に乗ってきた。

そのビットコインだが、昨年後半からレートが高騰している。昨年秋には1BTC（ビットコイン）＝7万円程度だったレートが、年末年始に高騰し年明け直後には14万円になった。ただこの時のビットコイン高騰は、中国の事情がからんでいたためと言われる。

中国国内では経済の減速から通貨・元への不安が拡大。そのため元を外貨に替えようと考える者が多かったが、当局が規制をしているので簡単にはできない。そこで元と外貨を直接両替するのではなく、ビットコインを通して元から外貨に両替しようとしている者が多かったと言われる。

それがビットコイン需要を高めて昨年末のビットコイン高騰につながったのだが、年明けになって中国当局の為替政策で元が上昇したため、中国のビットコイン需要が下落しビットコインは暴落。年明け2週間で30％以上暴落して1BTC＝9万円にまで価値が落ち込んだ。

ただその後また少しずつレートが上昇し、特に4月以降は上げ足が急激に速まってきた。その背景には、日本でビットコイン関連の法令が整備されてきた点があると見られている。以前は日本でビットコインを取り扱う業者に登録は要求されなかったが、4月からは登録制になった。

これによってビットコインが米ドルやユーロなど他の外貨とほぼ同等の信頼性を持つ為替商品と見られるようになり、レートが高騰。4月初頭時は1BTC＝11万円程度だったレートがその後急上昇し、5月25日には3倍超の34万円という史上最高値をつけた。

ただあまりの急上昇のため反動も大きく、その後暴落しわずか2日後の27日には30％以上安い22万円までレートが下落した。それからはまた上昇し、30日夜時点で27万円台で推移している。

これほど値動きが激しいと為替の短期トレードを行なう者なら売買してみたいと思うかもしれない。しかしかなりハイリスク・ハイリターンであることは念頭に置いておいた方がいい。一番の勝ち組は、ビットコインのレートがまだ1BTC＝100円未満だった2010年頃に買っていた人達に違いない。