2020年11月は歴史に残る月

今年11月に入って株式市場は高騰し、仮想通貨ではビットコインやリップルも高騰している。これだけいろいろな金融市場が大きく動く月というのは珍しく、今月は稀に見るボラティリティの高い月になった。

ダウが史上初の30,000ドル

　11月になって金融市場が大きく動いている。もともと今年4月頃から上昇が続いていた株式市場は、さらに暴騰。その背景には3日の米大統領選が無事終わったことや、今月に入って複数の製薬会社がCOVID-19ワクチンの治験を好結果で終えてワクチンの承認申請に入ったことなどがある。

　日本の株式市場もすさまじい勢いで上昇し、日経225平均の上昇幅は25日までで3,000円を超えた。このまま3,000円高で終われば1990～91年のバブル崩壊時以来の月間上げ幅となる。

NY株式市場も上昇が続き、ダウ工業平均は24日についに30,000ドルの大台に乗った。S&P500指数やNASDAQ総合指数も大きく上昇している。これだけ指数が大きく上がっているので、個別株もかなり上昇した銘柄が多い。

　ビットコインも10月21日のペイパルの仮想通貨サービス発表をきっかけに11月にかけて暴騰し、24日には2017年末～18年1月の仮想通貨ブーム時以来初めて200万円をつけた。

　リップルも月後半になって突然暴騰。月開始時には25円だったレートが、24日には77円と3倍以上になった。

　またこれまで話したようなものほど大きく動いていないが、金も11月には大きく下落し、24～25日には7月中旬以来の安値に沈んだ。金は7～8月に高騰しかなり話題になったが、その間の上昇幅を全て失ってしまった。

　ワクチン期待から景気回復と原油需要の回復観測が高まり、原油価格は11月に入って上昇。夏頃から大きく立ちはだかっていた43～44ドルのレジスタンスラインをブレークして、45ドルをつけた。

　為替市場ではトルコリラが11月上旬に最安値を更新したものの、アルバイラク前財務相の辞任と大幅利上げという流れによって反転。一時は安値から10％以上のリラ高となった。

　このように今月はいろいろな金融商品や指数が大きく動く稀に見る月となった。短期トレーダーにとっては大きく動けばそれだけ利益を得られるチャンスが増えるので、全く動かない商品が多い時期よりもやりがいがある。

　そして今月は初めてダウが30,000ドルを超えた月や、日経が約3,000円と暴騰した月として、金融市場の歴史にも残ることだろう。