香港証券取引所が種類株を認める新市場を創設へ

筆者 鳥羽賢 |

香港証券取引所が種類株発行企業の上場を認める市場を創設すると発表。

 中国の香港証券取引所が、種類株を発行する企業の上場も認める新しい市場の創設を提案した。これによって香港株式市場の新規上場銘柄を増やしていく狙いがある。

 

米では種類株の上場が可能

 

 香港証券取引所は、これまで種類株を発行する企業の上場を認めてこなかった。しかしこれが新規上場の数を制限しており、香港市場の活性化を妨げていると判断するようになってきたようだ。そのために先週末になって、種類株を発行している企業でも上場できる新しい市場の創設を提案した。

 ところで種類株とは何なのか?一般的に「株式」と言われるのは普通株で、株式を購入して株主になることで、議決権が与えられ配当をもらう権利も与えられる。

 しかし企業は普通株とは別の種類の株も発行することができる。別の種類とは株主にとっての権利が普通株とは違うもので、例えば議決権がなかったり、配当がなかったり、あるいは反対に配当が優先的にもらえたりする。

 日本で発行されている主な種類株の1つに、優先株がある。優先株とは保有することによって配当が優先的にもらえる株式のことだが、その代わりに議決権が制限されるなど条件がある。

 また黄金株という種類株もある。これは株主総会において拒否権を持つ株式のことで、黄金株の保有者は企業に対して大きな影響力を持つ。そのため黄金株が多く発行されることはない。

 ただし日本では種類株が直接上昇することはなく、上場するにあたって種類株を普通株に転換することが通例となっている。

 それに対してアメリカでは、種類株の上場が認められている。種類株が上場している代表的な例はアルファベット(Google)で、上場しているGoogle株には2種類ある。銘柄コードがGOOGLとなっている方は普通株で、購入すれば議決権が与えられる。それに対してGOOGという銘柄コードのGoogle株は、議決権が与えられない株式として売買されている。

 このようにアメリカの株式市場は種類株に対しても門戸を開いているために、より多くの企業が上場しやすい環境ができている。そのためアリババのように中国企業でもNY株式市場で上場をする企業も少なからずあり、香港証券取引所はそのような企業も今後は自分たちの市場で上場して欲しいと考えている。

 先週、種類株を発行する企業が上場するための新しい市場を創設すると発表したのはそのためだ。今後この提案がどこまで実現されるのかはわからないが、創設されれば香港の株式市場はさらに面白くなる。



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筆者について
鳥羽賢

慶應義塾大学経済学部卒業。輸入業務に従事後、ライターとして2003年より主に経済分野を中心に執筆活動を行う。企業トップへインタビューした上での、ビジネス記事執筆経験多数。ポータルサイト『オールアバウト』では、「世界のニュース・トレンド」テーマなどで、数年間政治・経済ニュース記事を執筆。FXの専門誌『月刊FX攻略.com』でも各通貨ペアの特徴解説など、FX攻略記事を執筆した経験がある。主な著書に、『とにかくわかる! FX超入門者』(すばる舎)などがある。翻訳活動も行い、FX投資教材の翻訳を中心に、金融分野の翻訳実績も多数。自身でも投資を行い、FXのトレードも2006年以来7年以上にわたって継続している。