最近日本の長期金利が上昇しているため、日銀を含め国債を保有する金融機関で含み損が拡大している。これはすぐに金融機関の経営に影響するものではないが、今後も長期金利高が続くと業績に対し影響が出てくることになる。
最初に簡単に説明しておくと、長期金利とは10年物国債の利回りのこと。国債には株式市場と同様リアルタイムに売買される国債市場がある。そして国債市場における国債の価格と利回りは反対に動く性質がある。
国債が買われて価格が上がると利回りは下がり、逆に売られて価格が下がると利回りは上がる。2年物、5年物などの国債利回りは短期金利と言われ、10年物国債の利回りが長期金利と言われる。
日銀が昨年から今年にかけて利上げを行い政策金利を0.5%としたことや、今後も利上げが続く見通しを背景に日本の長期金利は今年になって上昇が続いている。また30年物や40年物国債の利回りである超長期金利も上昇している。
今月19日には石破総理が国会の答弁で日本の財政状態について「ギリシャより良くない」と発言したことも、その後の長期金利高の一因となった。
長期金利の上昇は国債価格の下落を意味するため、日銀を含めた日本国債を保有する金融機関にとっては含み損の拡大を意味する。一般的に債券は満期まで保有することが前提であり、価格が下落しても中途売却をしなければ実現損にはならず含み損のままだ。
含み損のままならすぐに業績に影響しないとはいえ、含み損が膨大な額になっていることは各金融機関の決算発表に出ている。日銀は28日に2025年3月期の決算を発表したが、その内容によると3月末時点における日本国債の含み損額は28兆6246億円という膨大な額だった。これは昨年3月末時点の約3倍になる。
また日本生命、第一生命、住友生命、そして明治安田生命の生保大手4社は、集めた資金の運用で日本国債を多く購入している。これまでに出そろった各社の2025年3月期決算によると、日本生命の含み損は3兆5955億円で前年同時期比3.6倍、第一生命は2兆452億円で同4.2倍、住友生命は1兆5185億円で同3.8倍、そして明治安田生命は1兆3858億円で同8.6倍であった。
2024年3月末時点から今年3月末時点まで長期金利が上昇したことで、どの機関も日本国債の含み損が数倍になった。また今年4月以降も金利の上昇傾向が続いているため、含み損がさらに増える懸念もある。
とはいえ含み損は実現損ではないので各機関ともすぐに業績に影響が出ることを懸念はしていないようだ。日銀の植田総裁は含み損の影響について「政策運営能力に支障が生じることはない」と述べていた。
しかし保有する債券価格が50%以上下落し、かつ回復の見込みがない場合企業は減損処理をしなくてはいけなくなり、業績に影響が出る。また債券安によって2兆円近い巨額の損失になった農林中金の例もある。農林中金の場合は外国債券を購入し、保有を続けることで外貨調達コストが負担になったために売却せざるを得ず、その結果含み損から実現損になった。
日銀や生保各社が持っているのは日本国債で外債ではないので、同じことにはならない。だが今後も利回りの上昇(価格下落)が続けば、場合によっては減損処理をしなくてはいけなくなるだろう。
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