今年になってからトルコリラの下落が続いており、トルコ中銀はリラの下落を食い止めるために5月から6月にかけて政策金利を大幅に引き上げた。しかし6月の大統領選と総選挙以来エルドアン政権の将来に対し不安が高まり、リラがまた下落している。
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トルコは歴史的に通貨が不安定で、第2次大戦後の歴史を見ても常にインフレと通貨安に悩まされてきた。2005年にはそれまでの100万リラを新1リラとするデノミを実施。これが効力を発揮したのか、その後数年は比較的リラが安定していた。
ところがここ2~3年になり、またリラの下落が目立つようになる。主な原因の1つは、アメリカ経済が好調なこととアメリカの利上げによる米ドル高の進行。さらに2016年夏のトルコにおけるクーデター未遂事件以降、エルドアン政権が独裁色を強めていることも、周辺諸国との関係悪化懸念でリラ安につながっている。
今年になってリラの下落が加速しており、4月には1ドル=4リラを超えてさらに下落が続き、5リラに近付いた。それまでエルドアン大統領からの圧力もあって利上げに動かなかったトルコ中銀だが、ついに5月24日には政策金利の1つである後期流動性貸出金利を13.5%から16.5%に3%も緊急利上げ。
続いて5月28日にはそれまで複雑だった政策金利をまとめて、1週間物レポ金利を最重要政策金利とし、レポ金利は8%から16.5%へ引き上げられた。さらに6月7日にはレポ金利が17.75%にまで引き上げられた。
ここまで大幅な利上げを行なっただけあって、6月中は1ドル=4.5~4.7リラで比較的落ち着いていた。ところが今週になってまたリラが下落し、5月下旬につけた再安値も更新して一瞬だが5リラをつけた。
今週の下落は6月24日に行なわれた大統領選と総選挙を受け、新エルドアン政権が閣僚人事を発表したことによると見られている。その閣僚人事ではエルドアン大統領の娘婿が財務相に就任するなど身内びいきが鮮明で、それが市場の不安につながっている。また前政権のシムシェク副首相は利上げ派として知られていたが、シムシェク氏が閣僚に入っていなかったことも、トルコ中銀の今後の引き締めは難しいという観測拡大につながった。
しかし問題は5月から6月にかけてレポ金利を8%から17.75%と10%近くも上げてもまだリラの下落が止まっていないことだ。これだけ上げてもリラ安が止まらないなら、トルコ中銀にとって今後の打つ手はあまりない。もっと金利を上げる手段もあるが、あまりにも金利を上げると景気への悪影響が鮮明になる。そしてエルドアン大統領はそれを望んでいない。
トルコリラにとってはかなり厳しい状況だが、13日金曜には格付け会社のフィッチがトルコの新たな格付けを発表するという。ここで格下げにでもなったら、トルコリラは1ドル=5リラを超えて大きく下落してもおかしくはない。
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