農水省が堂島取引所のコメ指数先物を承認

農水省が21日に、大阪にある堂島取引所が申請していたコメ指数先物の上場を承認した。同取引所は最近までコメ先物を取り扱っていたが現在は終了しており、今度は指数先物という形でコメ銘柄が上場されることになる。

過去のコメ先物は10年間試験上場

　農林水産省が、21日になって堂島取引所（以下、「堂島」）から申請されていたコメ指数先物の上場を承認した。堂島は大阪にある先物取引所。現在日本の先物の中心的な存在は大阪取引所で、金など貴金属の商品先物や日経225先物などの指数先物もほとんど大阪の方で取引されており堂島はそちらと比べて取引量が少ない。

　しかし堂島には過去にコメ先物が上場されていたことがある。過去のコメ先物は2011年夏に2年間の期限付きで試験上場された。そして2年後の2013年夏には本上場への転換を申請したのだが、許可されず試験上場が2年間延長されたのみ。

　その後も2015年、17年、19年と13年と合わせて4回目まで本上場を申請しても全て却下された。そして2021年夏に5回目の本上場申請を行いこれも却下されたが、この時は試験上場の延長を申請せずそのままコメ先物は終了することになった。

　上場廃止が決まった当時も2022年6月限までの限月が残っていたことでその後約1年間は取引が行われたが、2022年6月限の取引が終了すると残ったのは出来高がほぼない輸出用銘柄のみで、この時点で事実上の終了となった。

　そして堂島は、今年2月21日に新たな先物銘柄としてコメ指数先物銘柄の上場を農林水産省に申請し、4ヶ月後の今週21日になって承認された。

　この指数先物の原資産となるのは、農林水産省が毎月発表するコメの相対取引契約の平均価格を元に算出される指数。農林水産省が毎月発表するコメの相対取引契約の価格は60kg単位で計算され、毎月変動するがだいたい12,000～16,000円のレンジで推移してきた。

　コメ指数先物はこの価格を元に算出される指数を原資産とした先物となる。呼値の単位は10円とされ、限月は偶数月の2ヶ月ごとに将来12ヶ月以内のものが取引される。つまり市場では6種の限月の銘柄が売買されるが、これは大阪取引所の金先物と同じ限月パターンになる。

　すでに8月13日から取引開始と発表されている。この時期だとちょうどお盆期間になるので、上場初日（火曜日）そして上場初週は出来高が少ないかもしれない。しかし翌週はお盆期間も終わり出来高が増えることが期待できる。

　コメ先物はすでに終了したが、新たなお米の先物としてのコメ指数先物はどこまで堂島の活性化につながるだろうか。