記録的な株安の週が終了

今週はトランプ大統領が相互関税の詳細を発表し、さらに他にも多くの関税が発動されたことで株式市場が歴史的な大暴落の週となった。今週の日足や週足の下落幅記録を振り返ってみる。

NASDAQの週足下げ幅は圧倒的1位

　今週は日本時間の3日木曜未明にトランプ大統領が相互関税の詳細を発表した。それ以外にも4日金曜夕方には中国が報復関税を発表し、さらにすでに発表済の多数の関税が発動された。

　それによってアメリカだけではなく世界経済の後退懸念が台頭し、株式市場が歴史的な大暴落を見せた。今週の日足や週足の下げ幅は証券史上の中でどの程度の位置なのか振り返ってみる。

　東京市場の日経225平均は今週は大きく下げた日が3日間あり、31日月曜には1,503円安、3日は990円安、そして4日は955円安であった。31日の1,503円安は歴代8位の下落幅になる。また下落幅ワースト10のうち1位、3位、5位、6位は昨年に記録したもので、31日の8位と合わせるとワースト10のうち5つまでが2024～25年で占められた。昨年後半以降はすでに稀に見る下げトレンドになっている。

　週足では3,340円安で今週を終えており、これはパンデミック開始に伴う暴落があった2020年3月9～13日の3,318円安を超える史上最大の週足下落幅となった。

　そして上記2つの下は、3位がブラックマンデーのあった1987年10月19～24日（当時は土曜取引あり）の3,165円安、4位がバブル崩壊の1990年9月24～28日の2,794円安、5位がリーマン・ショックのあった2008年10月6～10日の2,662円安となっている。なお2008年は前週の終値が10,000円より少し高い水準でありもともと低かったため、週の下落率では25％と群を抜いて大きかった。

　次にNY株式市場の日足の記録を見てみよう。ダウ工業平均は4日に2,231ドル下落したが、これは2020年3月16日の3,003ドル、同12日の2,353ドルに次ぐ歴代3位の下げ幅となった。

　また同じ4日のS&P500指数は322ポイント安であり、これは2020年3月16日の325ポイント安に次ぐ歴代2位の下げ幅だった。NASDAQ総合指数は4月3日に1,050ポイント安の史上最大の下げ幅を記録し、4日の963ポイント安は2020年3月16日の970ポイント安に次ぐ歴代3位だった。

　週足を見ると今週のダウは3,269ドル安であり、2020年3月16～20日の4,012ドル安、同年2月24～28日の3,583ドル安に次ぐ歴代3位の下げ幅であった。

　S&P500指数は今週506ポイント安で終わり、2020年3月16～20日の406ポイント安を抜いて史上最大の週足下落幅となった。NASDAQ総合指数は今週だけで1,735ポイントも暴落し、2020年3月16～20日の995ポイント安の2倍近い圧倒的大差での歴代1位となった。

　今週は下落の記録づくめの週で終わったが、これで暴落が終了と断言することは誰にもできない。来週以降さらなる暴落が待っている可能性があるのが恐ろしい。