著名起業家の前澤氏がメタ社を提訴へ

ファッション通販サイト運営のZOZOを創業した著名起業家の前澤友作氏が、自身の名前や画像が使われる詐欺広告を放置しているとしてFacebook運営のメタ社を提訴すると10日に発表した。株高を受けて投資がブームになっているが、同時に投資詐欺も増えていることに警鐘を鳴らすことにもなる動きだ。

賠償請求額は相当高額か!?

　ファッション通販サイト運営で成功した株式会社ZOZOを創業した著名起業家の前澤友作氏が、10日になってFacebookなどを運営するアメリカのメタ（銘柄コード：META）を提訴すると発表した。

　理由は自身の名前や画像を使って実行される詐欺広告が、FacebookやインスタグラムといったSNS上で蔓延しており、それらを放置しているためとのことだ。

　2024年が明けてから、新NISAの開始などを背景にして株式市場が高騰。株高を背景として国民の間で投資熱は高まり、証券会社で口座を開く人や投資を始める人が急増している。だがこのような状況で必ず出てくるのが投資を理由にした詐欺だ。

　投資詐欺はいろいろな形態があるが、基本は「投資をしましょう」と言って詐欺師にお金を渡させて、それを持ち逃げするというもの。そしてお金を渡したり振り込ませるまでにいろいろな手口がある。

　投資詐欺の手口の1つが、著名人の名前や画像を勝手に使用して「投資をしましょう」「投資をしたいので私にお金を預けて下さい」などと言ってお金を集めるもの。名前は簡単に使えるし、著名人なら画像もネット上にたくさん出回っているものを拾って使える。

また悪質なケースでは、AIを使って著名人が話している声や動画を捏造して詐欺の材料に使う場合もある。AIが発達した現在では他人のスピーチの動画も捏造可能で、最近岸田総理がテレビで話す動画が捏造されたこともあった。

　そのような著名人の名前や画像等を使った投資詐欺だが、著名起業家である前澤氏や、ライブドア創業者の堀江氏などが特によく使われているという。そしてそれらはFacebookやインスタグラムなどのSNS上に掲載されていることが多いのだが、前澤氏はFacebookなどの管理者がそれを放置していることに非常に憤っていた。

　そのため10日になって、自身の名前や画像などを使った詐欺広告を放置していたメタを提訴すると発表。提訴の詳細はまだ明らかにされていないが、基本アメリカで提訴を行う模様だ。

　どのような規模になるかわからないが、相手が超巨大企業のメタだけに損害賠償として途方もない金額を請求しても十分支払い能力はある。前澤氏側は数十億ドル（数千億円）規模の巨額の賠償を請求するかもしれない。

　この件は単にメタが提訴されたというだけではなく、現在蔓延する投資詐欺に対する警鐘とも言える動きだ。