イギリスのEU離脱が来年3月に迫っているが、離脱前にイギリスとEUが各種の問題について合意しなくてはならない。そして合意もイギリスやEU各国の議会で承認されなければならないのだが、英議会での承認が取り付けられず、このまま行くと離脱時に相当の混乱が起こることが懸念される。
2016年6月に行なわれた国民投票で、イギリスはEU離脱を決定した。その時、離脱派の国民は喜び、EUとの正式な離脱日もその後に2019年3月29日と決まった。あとは各種の諸問題について、離脱日までにイギリスとEUが合意できればいいだけだった。
ところがイギリス・EU間に存在する問題は複雑で、かつ両者はそう簡単には妥協できない状況にある。そのため多くの面で協議は難航し、合意がなかなかできずにいた。特に最後まで揉めたのは、アイルランドの国境問題だった。
イギリスの西にある島・アイルランド島は、南側の約4分の3がアイルランド共和国としてイギリスとは別の国で、北側約4分の1がイギリス領の北アイルランドとなっている。これまではイギリス・アイルランドともにEUに加盟していたので、南北間に国境検査はなかった。
しかしイギリスだけがEUから離脱すると、南北間の国境検査を復活させなくてはならない。そうなると歴史的に対立があったが今は落ち着いているアイルランドで、対立が再燃するなどの問題が発生する恐れがある。
あるいは国境検査復活を避けるために北アイルランド地域だけをEUに残すような形にする提案もあったが、それは北アイルランドをイギリスから切り離すような手段なので英国内の強硬派が反対していた。
メイ首相は11月に離脱協定案を閣議で承認したが、その案が後者に近いものだった。つまり他の案で合意できるまで、イギリス全体がEUの単一市場に残り、特に北アイルランドはEUのルールに従うという内容だ。そしてこの案は、イギリスとEUの両方が承認しないと変えられない。
この案は英国内の強硬派が反対し、閣僚が何人か辞任。そして12月11日に議会で承認の採決を取る予定だったが、反対が多いために可決が見通せず、10日にメイ首相が採決の延期を発表した。
今後、EU離脱に関してイギリスの前途は相当厳しい。メイ首相は延期としたものの、いつまで延期するのか明言しなかった。採決をしても可決される見通しが全くなく、また今後時間が経ってもそれは簡単には変わらない。
しかしもう離脱日は4ヶ月半後に迫っている。このまま英議会で離脱協定案が承認されないと、「合意なき離脱」になる恐れがある。合意なき離脱は、英国内に相当な混乱を起こすと言われている。
メイ首相としては、離脱日が近付けば合意なき離脱の混乱を避けるために、議員の多くが賛成に回ってくれるだろうと期待しているのだろう。だが実際にそううまく行くとは限らない。
10日にメイ首相が採決の延期を発表すると、ポンドは下落しNY株式市場も一時下げた。今後英議会が離脱協定案を承認しない限り、このようなことがまた起こると思われる。ここ数ヶ月、米中貿易戦争が市場の大きなリスクとなってきたが、今後数ヶ月はそれに加えてEU離脱問題も市場のリスクになる可能性が高い。
この書類に含まれる素材はiFOREXではなく、独立した第3機関により作成されたもので、いかなる場合においても、直接的・間接的、明示的・暗示的にかかわらず、投資に対する助言や、金融商品に関する投資戦略の推奨、提案として解釈すべきものではありません。この書類に含まれる過去の実績や、それに基づくシミュレーションは将来の成果を保障するものではありません。
すべての免責事項はこちらをクリックしてご確認ください。
iFOREXは数百銘柄の通貨、仮想通貨、商品、指数、ETF、株式をCFD形式で取引することができます。
方法は簡単、3ステップでCFD取引を注文できます。
iFOREXに今日参加すれば、次の素晴らしい特典パッケージがあなたのものに
25年以上信頼されるサービスプロバイダー
iFOREXグループは業界で最も大きく尊敬される企業の一つです。1996年に成功した銀行家のグループにより設立され、世界中の人の毎日の市場へのアクセスが目標です。
3つの主な約束
私たちは、提供するグローバルな取引商品の多様性と、使用する革新的な技術、常に向上し続けるカスタマーサービスで、業界のリーダーであり続けます。