米SECが超高速取引(HFT)を規制へ

筆者 鳥羽賢 |

米SECがHFTを規制へ

 アメリカの証券取引委員会(SEC)が、コンピューターを利用して1000分の1秒単位の取引を繰り返す超高速取引(HFT)の規制を検討し始めると発表した。HFTは近年ファンドなどで盛んになっているが、その乱用に歯止めがかかりそうになってきた。

 

HFTは最近拡大している

 

 超高速取引(HFT)とは、英語で High frequency tradingと書く。訳せば「高い頻度の取引」となる言葉だが、極めて短い時間に連続で取引を行うため日本語では「超高速取引」と書かれるようになった。

 個人が手動で株やFXなどの注文を入れる時は、手作業で注文数や価格などを入力するので、どんなに速くやっても30秒はかかる。証券会社やFX業者の中には「ワンクリック注文」など、少ないクリック数で注文が出せる仕組みを提供している企業もあるが、それでも数秒はかかる。

 それに対して、コンピューターを使って1000分の1秒単位という極めて短い時間で注文を出してトレードをするのが、HFTだ。そして単に極短時間で注文を出すだけではなく、そのような取引を連続で行う。そのような取引によって、手作業では絶対にできないトレード法で収益を出している。

 HFTという言葉が頻繁にメディアに登場した最近の例は、昨年5月23日の株式市場大暴落の後だ。この時大暴落を起こした大量の売り注文の中に、HFTによる売りがかなり多数入っていたとのことだった。大暴落の後数週間はHFTが大暴落の原因になったかのように言われ、「HFTを規制すべきだ」という声が挙がっていた。しかしその後は暴落らしい暴落もなく、HFTについてメディアで語られることもあまりなくなっていった。

日経225平均週足チャート

 

 しかしHFTそのものはますます盛んになっている。日本の東証でもすでに売買のかなりの割合がHFTによるものと言われているが、東証以外の者にとっては正確な割合を知る術はない。

 だが今回ついに、アメリカのSECがHFTの規制に向けて動きを開始した。HFTの乱用はアメリカでも、市場の不安定化の要因として徐々に問題視され始めている。最近SECのホワイト委員長はニューヨークで行った講演で、「(超高速取引が)圧倒的に優勢となっており、われわれの規制の枠組みを刷新する時だ」と話していた。

 

 

 

 実態は分からないが、HFTを利用するファンドと利用しない個人との差は大きく、HFTを利用するだけで圧倒的有利にトレードを行うことができると言われている。そのように特定の機関投資家だけが有利な状況で取引を行うことができるとなると、市場の公平性という意味でもかなり問題だと考える関係者が増えてきている。

 今回の動きはアメリカのSECによるものだが、SECのHFTに対する規制が将来強まれば、日本にもそのような動きが出てくるのではないだろうか。

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筆者について
鳥羽賢

慶應義塾大学経済学部卒業。輸入業務に従事後、ライターとして2003年より主に経済分野を中心に執筆活動を行う。企業トップへインタビューした上での、ビジネス記事執筆経験多数。ポータルサイト『オールアバウト』では、「世界のニュース・トレンド」テーマなどで、数年間政治・経済ニュース記事を執筆。FXの専門誌『月刊FX攻略.com』でも各通貨ペアの特徴解説など、FX攻略記事を執筆した経験がある。主な著書に、『とにかくわかる! FX超入門者』(すばる舎)などがある。翻訳活動も行い、FX投資教材の翻訳を中心に、金融分野の翻訳実績も多数。自身でも投資を行い、FXのトレードも2006年以来7年以上にわたって継続している。