米でまたもビットコインETFが却下される

米で今年1月から申請されていたBitwise社によるビットコインETFが、米証券当局によって却下されたと報道された。これでアメリカで申請されていたビットコインETFは全て却下され、ビットコインETF実現への道は一旦途絶えたことになる。

1月に申請されたが却下

2017年後半に仮想通貨が世界的なブームになった頃から、アメリカではビットコインETFの申請が増えていた。ビットコインETFの審査をする機関はSEC（米証券取引委員会）。一方ビットコインの先物は、2017年末にCME（シカゴ・マーカンタイル取引所）とCBOE（シカゴ・オプション取引所）が取引を開始。ただしCBOEの方は今年になって取り扱いを止めている。

ビットコインETF に話を戻すと、ビットコインETFは2017年頃から何度も何度も上場申請されてきたが、その度にSECは却下していた。却下の主な理由としては、「（ビットコインは）価格形成のメカニズムに透明性がない」などの理由があった。

そして2018年以降は仮想通貨のブームが下火になったこともあり、ビットコインETFの申請もそれほど増えなかった。しかし今年1月になって新たにビットコインETFを申請した企業がある。それがBitwise（ビットワイズ）だった。Bitwiseは仮想通貨のインデックスを開発・運営するなどの事業を行っている企業。

またBitwiseとともに、NYSEアーカもこのビットコインETF申請に加わった。NYSEアーカはニューヨーク証券取引所の電子取引を運営する部門。

1月の申請以来行われてきたビットコインETFの審査だが、過去の他の申請のようにSECはなかなか結論を出さず、何度も結果の発表を延期してきた。そして今月10日になってようやく結果が出たという情報が出回ったのだが、結局「却下」だった。SECはその理由として、「詐欺や市場操作を防止するための十分な基準を満たしていない」と述べていた。

これでアメリカで申請されているビットコインETFはなくなってしまった。ここ2年ほどは活発に申請されてきたビットコインETFだが、とうとう1件も承認されることはないままだった。

ただしビットコインだけに連動するETF申請はもうないが、ビットコインと他の資産の混合型のETFはまだ申請されている。これはWilshire Phoenixという企業が申請しているETFで、ビットコインの他に米国債など他の資産を含めた内容になっている。

最近では日本も金融庁が仮想通貨に連動する投資信託を「投資信託として不適切である」と判断していた。仮想通貨自体は2017年後半のブーム以降も少しずつ広まっているが、ETFや投資信託に組み入れられるにはまだ不透明な部分が多いようだ。