突然勢いを取り戻してきた株式市場

今年1月末～2月には世界的な株安があり、株式市場の今後の上昇が危ぶまれた。しかしその後は目立った株安はなく、また7月中旬になってから急激に株が上昇してきている。今後もこの勢いは続くのだろうか？

昨年後半は投機ブーム

株や仮想通貨の市場が急上昇した2017年が終わり、2018年が明けると1月末～2月に世界的な株安になった。アメリカではダウ工業平均が史上初めて1日に1,000ドル以上下げた日が2回もあった。また日本でも、2月6日には日経225平均が1,000円以上下げた。

この時は2018年の株式市場は厳しいのではないかと予想する声もあった。だが3月以降は大きな下落は全く起こらず、むしろ緩やかな上昇が続いている。またアメリカではNASDAQ総合指数は1～2月の暴落後も史上最高値更新が続いている。

そもそも昨年後半の株高と、今年初めの暴落は何だったのだろうか？昨年後半には株が世界的に高騰し、日本でも日経225平均が10月に16連騰の新記録を作った。この時期は仮想通貨市場が暴騰を続けていたことはすでに述べたが、仮想通貨市場の暴騰もあって世界的な投機ブームが起こっていたように見える。

そして今年の1～2月にはその投機ブームが一気にしぼんだ。株価の下落に先だって、仮想通貨は多くの銘柄が12～1月に天井をつけた。ビットコインは12月上旬に237万円をつけたのが最高で、その後は7ヶ月経った今でも最高値更新がない。そして他の多くの仮想通貨も、12～1月に最高値をつけてからは下げが続いている。

言ってしまえば、12～1月をピークに仮想通貨のブームが終わったことで、株も含めた世界的な投機ブームの過熱が終わったのではないか。それが1月末～2月の株価下落となって現れたように見える。

昨年後半の数ヶ月間は、世界的に投機熱が高まって短期的な資金が多く株や仮想通貨市場に流れてきた。しかしこのような過熱したブームは長く続かず、年明けになって終わり資金は離れていった。それが株や仮想通貨市場の急騰と急落を起こしたと思われる。

では今後はどうなるのか？昨年後半の短期的な過熱市場は終わったが、今後しばらくはまた緩やかな上昇が続くことも考えられる。ただネックになるのは、世界の株式市場のけん引役であるアメリカの市場で、すでに2009年春以来9年以上も上昇トレンドが続いていることだ。またアメリカの景気も、同様に9年以上拡大が続いている。

現在のアメリカの景気拡大は2009年6月から始まったと定義されているので、先月で丸9年になる。戦後のアメリカ経済の最長の拡大期は1991年3月から2001年3月の120ヶ月だが、もうすぐそれに並び、さらに追い越す。

もちろん120ヶ月に近付いたからすぐに景気が後退に転じるというわけではないが、これだけ長く好景気が続けば、数年以内にそれが終わると考えてもおかしくはない。そしてそれは景気だけではなく、株式市場も同じなのだ。