トルコでは低迷する経済を背景にしてエルドアン大統領の支持率が下がっており、焦った大統領は中銀への圧力を強めて3回連続で利下げさせた。そしてトルコは2023年に大統領選と総選挙があるので、ここがエルドアン大統領にとって正念場となる。
先週にはトルコが1%の利下げを発表して政策金利は15%とされた。もともと国内のインフレと為替市場におけるリラ安が進行していたのだが、止めるために利上げをせずに逆に利下げをしたために発表後リラが暴落。
米ドル/トルコリラは先々週の12日に1ドル=10リラの節目を突破したばかりだったが、わずか1週間後には11リラまでリラ安になった。トルコリラ/円も同様で先週開始時点では1リラ=11円40銭だったレートは週半ばに11円を割り、利下げ発表後の先週終了前には10円付近まで落ちてきた。
エルドアン大統領は10月14日に、利下げに反対していた中銀の幹部3人を更迭。さらに先週17日には「我々は利下げを目指して戦い続ける」と利下げのためにあらゆる手段を講じる姿勢を見せた。結果としてトルコ中銀は9月から11月まで3ヶ月連続利下げをして、政策金利を19%から15%まで引き下げた。
エルドアン大統領がそこまで利下げにこだわっているのは、国内の景気が低迷しているためだ。経済のセオリーは「利上げをすれば景気を冷やし、利下げをすれば景気を刺激する」であるため、そのセオリー通りに金利を下げて景気を良くしようとしている。
一方でインフレと通貨安を止めるためには利上げをしないといけないのだが、エルドアン大統領は「利下げをすればインフレは収まる」というセオリーと逆の持論を展開している。
景気の低迷のためエルドアン大統領の8月の支持率は38%まで下がり、ここ数年で最低レベルになった。この調子だと2023年に予定されている大統領選と総選挙はかなり危なくなる。今のところ選挙は何月に行われるか確定していないが、6月までには行われる。
エルドアン大統領は2003年からトルコの首相を務め、2014年からは大統領と20年近くトルコの指導者の座を守ってきた。そして2016年7月には軍部によるクーデター未遂が発生し、それを口実にその後自分に反対する人々を幅広く弾圧。
2017年春には大統領の権限を大幅に拡大して独裁体制を確立し、3期目も務めることを可能にした。したがってエルドアン大統領は2023年にまた立候補することができる。
とはいえ現在の景気低迷と支持率低迷が2023年まで続けば、エルドアン大統領の3選と与党・公正発展党(AKP)の政権維持は難しくなる。そのためエルドアン大統領は躍起になって利下げをしようとしているのだが、現在の状況では利下げでインフレが悪化すると景気に悪影響があり国民の支持をさらに失うリスクに直面することを理解できていないように見える。
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