29日夕方にシダックスという企業の株に対するTOBが発表された。普通はTOBが発表されるとその直後に株価は上昇するものだが、シダックス株は反対に30・31日と下落した。TOBの発表によって株価が下がるケースは非常に珍しい。
29日に給食の運営事業などを行うシダックス(銘柄コード:4837)に対するTOB(株式公開買い付け)が発表された。なお発表されたのは夕方であり、29日の東京株式市場はすでに終了した後だった。
そしてTOBの買い手となったのは、オイシックス・ラ・大地(銘柄コード:3182)という、食品の宅配販売事業などを行う企業。
TOBとはある会社の株を、買い手となった企業が市場において不特定多数の株主から買い集める手順のこと。今回はオイシックスがシダックス株を買うTOBを発表した。通常TOBが発表された直後は、その企業の株は上昇する。しかし今回は発表直前の29日の終値は635円だったのだが、その後30・31日とシダックス株は上昇せずに下落し31日の終値は569円だった。これはかなり珍しいケースだ。
その理由は買い付ける価格にある。普通TOBをかける場合は、不特定多数の株主から買い集めるために、現在の価格より10~20%ほど高い値段を買付価格とする。そのためにTOBが発表されると買付価格付近まで株価が上がるのが通例だ。
しかしシダックスのTOBの場合、買付価格は541円と29日の終値より約15%も安い価格だった。そのためにシダックス株は30・31日と下落した。
なぜこのような低い価格に設定したのか?それはこのTOBが不特定多数の株主から買うことを目的としておらず、ユニゾンファンドという特定のファンドが持つ株式を買うことを主要な目的としているためだ。なお正確に言うとユニゾンファンドとは、2つのファンドの総称である。ユニゾンファンドはシダックス株を2019年から保有していた。
この時シダックスの創業家である志太家とユニゾンファンドとの間に、「売却請求権」と呼ばれる権利の契約が締結された。これは創業家がユニゾンファンドに要求することで、ユニゾンファンドは創業家または創業家が指定する第三者へ株式を売却する義務を負うというものだった。
そして今回、創業家はオイシックスに対して売却を請求してTOBとなった。問題の価格だが、契約時の取り決めから計算された結果によると、株式売却の総額は80億円とされた。現在ユニゾンファンドが保有する株式は約1,480万株なので、割り算をすることで1株あたり541円という買付価格が決定された。
つまり今回のTOBは、価格の設定方法が2019年時点で決められていたという特殊な事情がある。そのために買付価格が発表直前の終値より安く、発表後に株価が下がる珍しいTOBになった。
今回のTOBでは買付予定の下限数がユニゾンファンドが保有する14,792,959株(議決権の27.02%)で、上限は18,251,066株(同33.34%)とされた。ユニゾンファンドが全株式を売れば下限の数になり、さらに他の個人投資家などがTOBに応じるなら上限数までは買うということだ。
つまり個人投資家は一切応じてくれなくても、ユニゾンファンドだけ売却してもらえれば成立するTOBだ。このような特殊なTOBは珍しいが、創業家とユニゾンファンドがTOB形式での売却を望んだからこのような形になった。
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