有事に買われるビットコイン

有事に買われるビットコイン

著者 鳥羽賢
2020年01月9日

最近のビットコインの動きを見ると、アメリカがイランの司令官を殺害して中東の緊張が高まると上昇し、トランプ大統領の会見で軍事行動が否定されると下落したことがわかる。ビットコインも金のように有事の逃避資産として買われていることを示す動きだ。

中東懸念台頭で買われる

「有事の金買い」という言葉があるように、金は昔から他の資産に対して不安が高まったり政治経済情勢の悪化懸念が高まると買われてきた。実際に金価格はここ数ヶ月上昇が続いており、NY金は昨年9月時点の1,200ドルから最近は一時2013年以来となる1,600ドルをつけた。


NY株式市場は上昇が続いているのでそれだけ見るとリスクは高まっていないように思われるが、各国の経済指標は悪化しているものが多く世界経済に対する懸念は消えない。金が買われているのはそのような背景があると見られている。


しかし最近では、ビットコインも金のように有事になると買われることが増えてきた。年明け以降のビットコインの動きを見ると、アメリカがイラン司令官を殺害した3日朝までは下落し75万円になった。


そしてイランのソレイマニ司令官が殺害された3日の午後以降は上げに転じ、80万円を超えても上昇は止まらず。そしてイランがイラクの米軍基地に対して報復を行った8日になると90万円を超えた。


だが9日午前1時からトランプ大統領が会見を行い、イランに対して追加の経済制裁はかけるが軍事行動はないと発言。この発言によって金融市場では中東での大規模紛争に対する懸念が後退し、NY株式市場は大幅高となった。


中東の地政学的リスクが後退すると金は大きく売られて8日朝の高値から50ドル以上下落。そしてビットコインも同様に下落に転じ、9日日中までに数万円下げた。


年明けからこれまでのビットコインの動きは、有事になると逃避資産として買われている性質を示している。しかしこれは今に始まったことではない。数年前から、ビットコインを初めとする仮想通貨には他の資産のリスクが高まった場合に買われるという特徴が見られていた。


それが顕著に出ているのは法定通貨が不安定な途上国で、自国の通貨が信用できない途上国の人々は仮想通貨に両替しようとしている。例えばインフレが激しいベネズエラでは、仮想通貨で資産を持とうとしている国民がかなり多いと言われている。


2017年後半のブームは過ぎたとはいえ、仮想通貨はまだこのような面で需要がある。こういった需要は仮想通貨の大きな役割の1つとして残っていくだろう。

 

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