最近台頭するAI関連仮想通貨

トランプ氏の大統領選勝利以降仮想通貨市場が非常に盛況になっている。最近はAIに関連する仮想通貨が台頭しており、10日にはバイナンスに3通貨が同時に上場された。

AIエージェントが注目される

　昨年11月の米大統領選で仮想通貨に好意的なトランプ氏が勝利して以降、仮想通貨市場が盛況になっておりビットコインは一時1,600万円を突破した。

　そのような状況の中、最近ではAI（人工知能）に関連する仮想通貨が台頭してきている。AIと言えば2022年末にChatGPTがリリースされて以降世界で爆発的に普及しており、AIに必要な半導体を生産するエヌビティアは2023～24年の2年間で業績・株価ともに爆発的に伸びた。

　世界的に普及が進むAIは仮想通貨の世界にも進出してきているが、特に最近話題になっているのは「AIエージェント」というもの。これはAIを使って仮想通貨市場の動きを予想、売買を実施、そしてポートフォリオを管理するなど、仮想通貨取引全体を支援してくれるサービス。

　AIエージェントは今後成長する分野として注目されており、今月10日には世界最大級の取引所・バイナンスに、AIエージェント関連の仮想通貨が3つ同時に上場された。

　そのうちの1つはChainGPT（CGPT）。ChatGPTと同じく「GPT」とついていることからわかるようにAI関連のプロジェクトで発行される仮想通貨になる。

　ChainGPTはAIを使ってトレードや市場の分析ができるサービス。その他にもNFTの生成やスマートコントラクトの生成・監査なども提供している。

　そのトークンとしてリリースされたCGPTの流通開始はかなり最近。2023年前半には一時日本円で6円程度まで落ち込んでいたが、その後仮想通貨市場高騰で上昇。今月10日にバイナンスに上場される直前は30数円だったレートは上場されたことで一時70円付近まで暴騰し、その後12日になると50円付近で取引されている。

　10日にバイナンスに上場した2つ目の仮想通貨はAIXBT（AIXBT）。これは同名のAIエージェント上で利用される仮想通貨。AIXBTは他のAIエージェントと同様に市場分析、売買実施、ポートフォリオ管理などのサービスを提供しているが、市場分析にあたってX（旧Twitter）のインフルエンサーの発言を収集・活用しているところに特徴がある。

　3つ目はCookie DAO（COOKIE）で、Cookie DAOというAIエージェント向けのデータ提供を行うプラットフォーム上で利用されるのが仮想通貨のCOOKIEになる。

　AI関連の仮想通貨はこれら3種以外にもすでに多く存在しているが、残念ながら日本の仮想通貨取引所で取引できるものは少ない。日本は規制が厳しいので取引所で流通している仮想通貨の種類が少なく、AI関連も含めて幅広い仮想通貨を取引したいなら海外の取引所で行うことが必要になる。