昨夏から高騰する仮想通貨テラ

テラという仮想通貨が、昨年秋から高騰している。昨年は多くの仮想通貨が高騰したが、テラは昨夏の600円付近から年明けには1万円超えと10倍を遥かに超える上昇率を見せている。

韓国発の仮想通貨

　2021年は17～18年に続く2度目の仮想通貨ブームとなり、多くの仮想通貨価格が高騰した。17～18年のように高騰した後バブル崩壊で急落するということもなく、すでに「ブーム」というより仮想通貨の価値が広く認められてきたと言ってもいい。

　そのような中、昨年夏以降に特に目覚ましい上昇を見せている仮想通貨がある。それがテラ（LUNA）だ。テラは韓国のTerraform Labsという企業が開発・発行している仮想通貨。

　テラはもともとはステーブルコインの発行プロジェクトとして開始された。つまり米ドルやユーロにレートを固定した「テラ米ドル」「テラユーロ」、そして韓国ウォンに固定した「テラウォン」などのステーブルコインが発行されている。

　そして昨年夏以降高騰しているテラ（LUNA）とは、テラのネットワーク内で使えるトークンとして発行されたものだ。

　テラの流通は2019年頃から始まり、仮想通貨ブーム前の2020年前半にはまだ1枚＝20円付近でレートも上がっておらず、注目もされていなかった。

　だが2020年秋頃にステーブルコインを発行するプロジェクトを発表。そして秋以降に仮想通貨市場全体が上昇してきたこともあり、テラのレートは秋から上昇。2021年春にはレンディングサービスの「Anchor」を発表したことが買い材料となり、3月には一時2,000円をつけた。

　その後5月には仮想通貨市場全体が暴落し、テラも同時に500～700円まで下落する。しかし8月以降はBinanceなど海外取引所でテラと関連ステーブルコインが上場されたことなどを材料に大きく上昇し、12月にはついに10,000円を突破して一時11,000円に。2022年1月2日現在でも10,000円以上をキープしている。

　1月2日時点の仮想通貨時価総額ランキングでは、テラ（LUNA）は約3兆8000億円でステーブルコインを除けば7位、ステーブルコインを入れた場合でも9位に位置している。また米ドルに固定したテラ米ドルもステーブルコインを含むランキングで22位にある。

　他の多くの新興仮想通貨のようにテラは現在日本の仮想通貨取引所で買うことはできないが、海外の取引所で買うことはできる。またBinanceなど海外の取引所に上場されることがその後の高騰のきっかけになることも多いので、今後はそのような通貨を探すことで将来の値上がり益を狙うこともできる。