日本郵政と、ゆうちょ・かんぽが株式上場へ

日本郵政と、ゆうちょ・かんぽが株式上場へ

著者 鳥羽賢
2014年12月24日

小泉政権の郵政民営化事業で民間企業となった旧郵政事業の郵便貯金(ゆうちょ銀行)と簡易生命保険(かんぽ生命保険)、そしてその親会社にして持株会社の日本郵政が、2015年秋以降に東証に上場される見通しになった。

完全な民間企業になるため上場

郵政民営化は2001~06年まで長期政権を取っていた小泉総理の看板政策であり、一度そのために衆議院を解散(郵政解散)してまで実行した政策だ。いろいろ批判もあったが、結局民営化は実行されて現在に至る。

民営化された郵政事業は、持株会社の日本郵政をグループの筆頭として、その下に郵便貯金事業を行うゆうちょ銀行と、簡易生命保険事業を行うかんぽ生命保険が子会社として存在している。またこれらの2社の他に、郵便事業を行う日本郵便も日本郵政の子会社になっている。

これらのグループ会社の内、持株会社である日本郵政と、金融事業を行うゆうちょ銀行・かんぽ生命保険の2社、合計3社を、来年秋以降に上場させることになった。。26日には日本郵政の西室社長が、記者会見を行って正式に上場計画を発表する予定になっている。

現在の郵政関連事業3社のうち金融事業2社を上場させるのは、政府の存在から離れて完全な民営化に近づける狙いがある。かつての郵便局は金融機関とは言え、政府によって運営されていた。そのために民間の銀行と違い、倒産の可能性が極めて低い金融機関という認識があった。銀行は倒産の可能性があるが、郵便局にはほとんどない。そのためお金を預けるにしても、「郵便局が最も安全」と考えていた人も多かった。

日経225平均日足チャート

民営化をしたら本来このような認識は消え、ゆうちょ銀行も民間の銀行として政府から離れて見られるべき存在のはずだった。しかし実際にはまだまだ、「ゆうちょ銀行のバックには政府がいる」という認識は強い。というのも、ゆうちょ銀行は日本郵政が親会社で100%株式を保有しており、かつ日本郵政の株式は政府が100%保有しているからだ。つまり事実上、ゆうちょ銀行も政府が100%保有しているようなものだ。

ゆうちょ銀行には金融機関としてこのような優位性があるため、民間銀行はこれを「民業を圧迫している」として批判することもあった。その手の批判をかわすためにも、今回上場して株式を民間に放出する。現在政府が100%保有している日本郵政の株も当然売り出され、政府はその売却益を東日本大震災の復興費用に充てる方針でいる。

では投資家視点で見て、この3社の上場はどのような上場と言えるのか?第一に、これら3社は規模が大きいため、時価総額が高い大型株になるだろうと予想できる。つまり新興株のように、短期的に大きな値幅を狙うデイトレードに向く銘柄ではない。もちろん大型株でデイトレードをしている者もいるので、それを狙うなら日本郵政株もありだ。

現実的には、配当や長期的な上昇を期待して買う株になるだろう。民営化された国営企業の上場というと、1987年に上場したNTT株の例がある。NTT株は上場後に大きく上昇して話題になったが、当時はバブル時代だからであった。現在日本郵政株が上場しても、そこまでの上昇は期待できないだろう。しかし話題性だけは、非常に高いIPOになることが予想できる。

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