日本で5例目のIEO・エルフトークンが募集開始

これまで日本では4つのトークンがIEOとして発行され上場されてきたが、9日になって5例目となるエルフトークンの募集が始まった。このトークンを発行しているのは1つ目のIEOを発行したHashpaletteであり、同社にとって2回目のIEO募集となる。

今回はWeb3ゲームがテーマ

　企業がトークン（仮想通貨）を発行してそれを仮想通貨取引所を通して不特定多数の投資家に販売し、今後の事業資金とするIEO（Initial Exchange Offering）は、これまで日本で4回実施された。

　海外ではかなり盛んに行われてきたものの、日本は企業がトークンを保有した際の法人税が厳しいことなどから、わずか4例のみだった。しかし昨年には自社発行のトークンに対する期末時価評価課税の適用が除外されると決定。さらに今年には他社発行の仮想通貨も条件付きで期末時価評価課税の対象外とするなど、企業の仮想通貨税制はだんだん緩和されていっている。

　しかしここしばらくIEOは行われず、直近の4例目は昨年4月26日に上場したアイドルがテーマのニッポンアイドルトークン（NIDT）。その後1年近く新しいIEOの上場はなかった。

　だが今週9日になって、国内5例目となるIEOの募集が開始された。今回発行企業となるのは国内最初のIEOであるパレットトークン（PLT）を発行したHashpalette（ハッシュパレット）。つまり同社として2つ目のIEOとなる。そして仲介する取引所はbitFlyer（ビットフライヤー）。

　今回のテーマはブロックチェーンと統合されたいわばWeb3ゲーム。2月26日にサービスを開始する「THE LAND エルフの森」というゲーム内で使用されるトークンであるエルフトークン（ELF）が、IEOとして売り出される。Hashpaletteは2022年9月からすでに「ELF Masters（エルフマスターズ）」というゲームを運営してきたが、今回の「THE LAND エルフの森」はそのアップデート版となる。

　売り出しへの申し込み期間は2月9～20日で、21日には抽選が行われて付与される。そして上場日は22日以降になるが、今のところ正式な上場日の発表はない。

　エルフトークンの総発行数は10億枚の予定で、IEOで売り出されるのはそのうち10％にあたる1億枚になる。そして1枚あたりの売り出し価格は12.5円。売り出しに応募する場合は1口あたり500枚なので、1口あたり6,250円が必要になる。1人あたりの申し込み上限は1,500口＝75万枚＝937万5000円になる。

　Hashpaletteが最初に発行したIEOであるパレットトークンは、4.05円で売り出されて2021年7月29日に上場。そして上場の数週間後までには一時売り出し価格の20倍以上にまで上昇する盛況ぶりだった。

　ただしパレットトークンの上場時は2021年の仮想通貨ブームの真っただ中だったので、現在とは仮想通貨市場全体の地合が違っていた。今回のエルフトークンが同様に高騰するという保証はない。

　IEOに申し込むべきかどうか判断する材料として、申し込み開始からどれくらい経ってから目標金額に達したかを見る方法がある。パレットトークンは開始わずか6分で目標に達した。一方上場時まで「目標額に達した」とのアナウンスがなかったサッカーチームFC琉球のFCRコイン（FCR）は、上場後もさえない動きが続いた。

　目標金額に達したかどうか、達したなら開始からどれくらいで達したかは、そのIEOの人気を測る有効な指標となる。