政府が仮想通貨を「暗号資産」と呼ぶことを決定

政府が仮想通貨を「暗号資産」と呼ぶことを決定

著者 鳥羽賢
2019年03月19日

政府が先週末に仮想通貨に関する法律の改正案を閣議で決定。その中でこれまで仮想通貨と呼ばれていたものを、これから「暗号資産」と呼び方を変えることが決定した。しかしこの決定に法的な強制力はないため、仮想通貨取引所などの民間がどこまでついて行くかどうかはわからない状態にある。

海外では「暗号」が一般的

日本ではビットコインやイーサリアムなどのことを「仮想通貨」と呼ぶが、これは必ずしも国際的に普及している呼び方ではなかった。そもそもいつから、そしてどのようなきっかけで日本で「仮想通貨」という呼び方が始まったのかは定かではない。もともと仮想通貨は2008~09年頃に誕生し、そこから日本や海外で少しずつ普及していったものだ。


海外では仮想通貨の直訳である「virtual currency」という単語よりも、「crypto currency(暗号通貨)」という言葉も多く使われていた。つまり海外ではかなり前から、「仮想」ではなく「暗号」という言葉をつけてビットコインなどを呼んでいたのだ。


そして2017年後半に仮想通貨が世界的ブームになったため、これ以降各国政府は仮想通貨を無視できず、政府レベルや国際レベルでの仮想通貨に対する検証が進んでいく。昨年夏にアルゼンチンのブエノスアイレスで開催されたG20会議では、「仮想通貨は通貨としての特性を欠く暗号資産にすぎない」という見解が示された。日本政府は先週末閣議で仮想通貨を暗号資産と呼んでいくことを含めた法改正案を了承したが、これは昨年夏のG20の見解を踏まえて決定したことだった。


では今後日本で「暗号資産」という呼び方がどこまで定着するだろうか?はっきり言ってしまうと、政府が言い出したからといって定着するという保証はどこにもない。例えば政府だけではなく経団連も動いて、2017年に導入されたのが「プレミアムフライデー」だった。これは月末の金曜は仕事を午後3時で切り上げて退社し、夕方以降は余暇を楽しもうというキャンペーン。


だが政府がいくら笛を吹いても民間は動かず、このキャンペーンは失敗だったと今では誰もが認めている。日本の労働慣習や生活スタイルに、午後3時で仕事を切り上げるというものは全くなじまないのだった。


仮想通貨の「暗号資産」という呼び方も、政府がそう言ったからというだけで普及することは考えにくい。今後普及するとしたら、そのためにはいくつかの条件が考えられる。1つは取引所が積極的に暗号資産という呼び名を使うこと。仮想通貨に関わる個人はほとんど取引所に口座を持って取引しているため、取引所が動けば普及していく可能性が上がる。


もう1つはマスコミがその呼び名を使うこと。マスコミは影響力が大きいので、マスコミが暗号資産と呼んでいけばそのまま一般に浸透していくことが考えられる。ただし取引所もマスコミも、積極的に暗号資産と呼んでいく理由はない。そうしたからと言って自社の利益になることはあまりないからだ。だがともかく政府が「暗号資産」と呼ぶことを閣議で決定したので、少なくともこれからビットコインなどを規制する法律上は暗号通貨と呼ばれることになる。

 

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