当面の暴落材料は過ぎ去ったが……

当面の暴落材料は過ぎ去ったが……

著者 鳥羽賢
2020年06月2日

株式市場は今年2~3月に空前の大暴落となった。このまま今年は下落が続くと思われたものだが、3月下旬以降はリバウンドが続き特に最近は大きく上昇している。4月以降は再度の暴落になりそうな材料も出たが、無事に通過した。

企業業績や経済指標が悪化

今年の2月下旬から3月下旬にかけて、世界の株式市場は過去最大級の暴落に襲われた。NYダウを見てもこの暴落のすさまじさがわかる。3月9日にはダウが2,013ドル、3月12日には2,353ドル、そして3月16日には2,997ドルも暴落した。


ダウが1日に2,000ドル以上下落したのは2020年3月が史上初だったが、それが3回も起こった。2008年のリーマン・ショックは歴史的大暴落と言われたが、ダウが1,000ドル以上下落した日は1日もない。


リーマン・ショック時は暴落前からダウがすでに10,000ドル付近だったので、30,000ドル近くまで上昇してから暴落した今年とは事情が違う。しかし単純な下落幅の比較ではリーマン・ショックをも遥かに上回る暴落だった。


とはいえ3月に各国中銀が矢継ぎ早に緩和政策を打ち出してきたこともあり、3月下旬を底に相場は反転。その後は2ヶ月以上リバウンド相場が続き、特に5月下旬に入ってかなりの上昇となった。


実際に3月下旬以降も再度の暴落になりそうな材料はいくつも出たが、相場はそれら全てを耐え切ったのだ。例えば4月から5月にかけて、各国の上場企業が1~3月期決算を発表した。


3月は多くの国がロックダウン(封鎖)や自粛に入っていたこともあり、1~3月期決算は相当の悪化が予想され実際に業績を以前の見通しからかなり下方修正した企業も多かった。だがそれでも相場は下落せず、リバウンド相場が続いた。


また4月以降発表された各国の経済指標も相当な悪化が見られた。例えば5月上旬に発表された米4月雇用統計は、前月比2,000万人減とこれまでの記録・約70万人減を10倍以上上回る空前の悪化だった。他の経済指標も同様に極度に悪化したのだが、相場は持ちこたえ再度の暴落はなかった。


さらに4~5月から米中関係も悪化してきた。1つのきっかけは、両国がCOVID-19の責任をお互いに押し付け合っていることだ。さらに5月になって中国は全人代で香港に対しる締め付けを強化する法案を成立させ、それが米中関係を一層悪化させている。


5月29日にはトランプ大統領が対中国で「強力な措置」を発表するために会見を開いたが、発表されたのはWHOからの脱退や香港に対する優遇措置撤廃など市場の懸念ほど悪い内容ではなかった。そのためこの会見後も株式市場は崩れていない。


今後予定されているイベントや発表で新たな暴落材料は見当たらず、このまま株式市場のリバウンドがしばらく続く可能性もある。しかし暴落とは常に突然やってくるものだ。2~3月の大暴落も、たった1~2ヶ月前にはCOVID-19も広がっておらず、全く予想されていなかった。


今後も突然悪材料が出てくることもあり、そのような突発的な悪材料こそ再度の暴落を引き起こすきっかけとなるだろう。

 

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