失われたと思われた仮想通貨は経営者の手に渡っていた

失われたと思われた仮想通貨は経営者の手に渡っていた

著者 鳥羽賢
2019年06月25日

去年の暮れに、カナダの大手仮想通貨取引所のCEOがインドで急死。そのために顧客から預かっている大量の仮想通貨にアクセスするための暗号キーがわからず、その仮想通貨はアクセス不能で「失われた」状態になる事件があった。しかし最近になり、CEO夫妻がその仮想通貨を個人的な目的のために浪費していたことが明らかになった。

倒産後にも二転三転

カナダにあるQuadrigaCXという仮想通貨取引所は、ジェラルド・コットンという人物がCEOとして経営していた。ところがコットン氏は去年12月にインドを旅行していた際、持病のクローン病が悪化して急死。享年30歳だった。


しかしそのために大きな問題が起こる。QuadrigaCXが顧客約11万人から預かっていた仮想通貨はセキュリティのためにインターネットに接続されていないコールドウォレットに保管されており、外部からはアクセスができない状態だった。


そしてウォレットにアクセスするための暗号キーを知っていたのはCEOのコットン氏ただ1人。つまりコットン氏が死亡したことで、仮想通貨が完全に「失われた」ことになった。失われた仮想通貨は、当時のレートで日本円にして約160億円分もあった。


QuadrigaCXは約160億円分の損失を顧客に補填する術も持っていなかったので、2月1日に本社のあるノバスコシア州最高裁に、債権者保護を申請。これはカナダにおける、事実上の倒産手続きになる。


だがこれだけの大事件なので、QuadrigaCXが倒産してもそれで全てが終わったわけではなかった。カナダの仮想通貨業界関係者はこの事件を調査するチームを作り、事件発覚後失われた仮想通貨が本当はどうなったのか調査。そして3月には、失われたと思われていた仮想通貨の大部分が、他取引所の口座に移転されていたことが明らかになった。


さらに最近になり、管財人の監査によって驚くべき事実が明らかになる。QuadrigaCXから他の取引所の口座に移動していた仮想通貨は、そこからさらにコットン氏と妻の個人的な口座に移動されていたという。そしてコットン夫妻は、その仮想通貨を原資としてプライベートジェットで旅行するなど贅沢三昧をして浪費をしていた!


この報告が事実なら、実はコットン夫妻は最初から顧客の資金を私的な目的のために横領しており、その事実を隠すためにインドで病死を偽装(本当は他の理由で死亡したか、あるいは自殺かもしれない)。そして顧客の仮想通貨を「失われた」ことにして、全ての罪から逃れようとしていたというシナリオが考えられる。もしそうだとしたらコットン夫妻は極めて悪質な行動をしていたことになる。


ここまで発覚した以上、今後は妻の方に追及が向かうのは間違いない。そこで妻が真実を自白するか、あるいは黙秘を通して真実を闇に葬るかはまだわからない。しかし約160億円分という多額の仮想通貨が失われた事件には、やはりいろいろな裏があったようだ。

 

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