大阪取引所が上海天然ゴムの先物を開始へ

2025年1月14日

先物銘柄を多く扱っている大阪取引所が、10日になって今年上半期中に上海天然ゴムの先物銘柄を取り扱い開始すると発表し、パブリックコメントの募集を開始した。すでに日本国内の天然ゴム先物銘柄は上場されているが、そこに上海天然ゴムが加わることになる。

裁定取引ニーズのためと発表

　先物銘柄を多く取り扱っている大阪取引所が、先週10日に今年上半期中に上海天然ゴムの先物銘柄を取り扱い開始する計画を発表した。そしてパブリックコメントの募集を開始している。

　天然ゴム先物はすでに日本の銘柄が上場されており、「RSS3」と「TSR20」と2種類ある。RSS3の方は視覚的に格付けされたゴム、TSR20は技術的に格付けされたゴムのこと。取引単位は1kgだが、1月14日時点の価格を見るとRSS3の方は約380円、TSR20の方は約300円で取引されておりRSS3の方が高い。

　今回上海天然ゴム先物を上場させる意義について、大阪取引所は「投資家が中華人民共和国において保有する天然ゴムの価格変動に対するヘッジニーズがあること、中華人民共和国及び本邦における天然ゴムの価格差に対する裁定取引のニーズがあることから、上海先物取引所に上場している天然ゴム先物取引の価格を対象とした現金決済型の「上海天然ゴム先物取引」を導入することとします。」（出典：大阪取引所）と述べている。

　上海天然ゴムについて現在の取引スペックを簡単に述べると、取引単位は1トン。1月14日現在で1万7000元（約36万5000円）。大阪市場の天然ゴム先物は1kgあたりの価格なので、上海の天然ゴムを1000分の1にして比べると約365円ということになる。限月は2月と12月を除いた10ヶ月分が上場されている。

　そして大阪取引所が発表した今後日本で上場予定の上海天然ゴム先物は、取引時間は日中の立会が他の先物と同じように午前9時から午後3時45分まで。夜間立会は午後5時から7時までの2時間だけとなる。

　限月は1月、5月、そして9月のそれぞれ15日と年間で3限月のみとなる。また前日終値の上下10％が制限値幅とされる。

　現在は2種類が上場されているゴム先物だが、出来高が多いとは言えない。RSS3の1月14日の出来高を見ると最も多かった2025年6月限で156枚で、残りの25年1～5月限はもっと少ない。そしてTSR20の方は全く出来高がなく、こちらはたまに取引される程度に留まっている。

　同じ商品先物でも金や原油と比べてあまりメジャーではない天然ゴム先物だが、上海の天然ゴム先物上場がその状況を変えるきっかけになるだろうか。

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