6月以降は原油価格が下落しており、最近になって約半年ぶりの安値となる85ドル台をつけた。しかしその一方で欧州天然ガスは史上最高値まで上昇しており、6月にかなり下げたNY天然ガスも7月以降は反発して今週になって今年の最高値を更新した。原油高は止まっても天然ガス価格の高騰はまだまだ続いている。
現代世界で最も広く使われるエネルギーである原油価格は、6月に120ドルまで上昇した後下落が続いている。最近になってアメリカがイラン核合意に復帰できる見通しが高まったこともまた売り材料となり、今週には約半年ぶりの安値となる85ドル台をつけた。
原油安はインフレ抑制にもつながるため特に輸入国である日本にとっては好材料だが、その一方でもう1つの重要エネルギー・天然ガスの方は高騰が止まらない。天然ガスが高騰しているのは、ウクライナ紛争のため特にロシアから欧州への供給が滞っていることが大きい。
欧州の天然ガス価格の指標となるのはダッチTTF天然ガスという先物銘柄で、取引単位は「ユーロ/MWh(1時間あたりメガワット)」。
欧州天然ガスも他の先物銘柄と同様、2020年秋以降には上昇が続いている。そして2021年12月にはロシアとの緊張がすでに高まっていたことや、寒波のために150ユーロを超えるところまで高騰した。
さらにウクライナ紛争が始まりロシアがウクライナの原発に攻撃をした3月上旬には200ユーロ付近まで高騰。その後4月から6月前半は100ユーロ付近で安定していたものの、6月後半からまた急上昇して8月17日には一時235ユーロの最高値をつけた。
ウクライナ紛争を巡ってロシアと対立している国が多い欧州は、ロシアからの天然ガス供給が紛争前と比べてかなり制限されている。それが天然ガスの高騰につながっている。
一方NY市場の天然ガスも高騰している。NY天然ガスは今年前半に上昇が続き、6月上旬には2008年以来14年ぶりの高値となる100万BTU=9.6ドルをつけた。
しかし6月8日にアメリカ・テキサス州のLNG(液化天然ガス)の輸出プラントで火災が発生し、その後輸出が滞って米国内の天然ガス在庫が増えるとの観測が台頭した。在庫増観測のため火災後はNY天然ガスが暴落し、1ヶ月後には5.3ドル台と火災発生前より40%以上安い水準になった。
だがその後は輸出プラントが10月上旬に再開できると発表されたこともあり急激に反発し、8月17日には火災前の高値である9.6ドルに接近。天然ガス価格は欧米とも非常に高い水準にある。
天然ガス高は世界的に影響が出てきており、日本は火力発電にLNGを多く使うため電気代の高騰という形で影響が出ている。2022年になって日本の電気代は上がり続け、8月には地域電力の10社全てが燃料費調整制度で転嫁できる上限に到達したと発表された。これは2009年に現行の制度が始まって以来初だという。
欧州でもかなり影響が出ており、ドイツではガス代が高騰して家計を圧迫され、イギリスでは今冬に計画停電まで検討している。
天然ガス価格はウクライナ紛争が続く限りなかなか下がりそうにない。そして天然ガス高は特にエネルギーを多く消費する先進国に大きな影響を及ぼす。
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