原料値上がり?のために続くコーヒー値上げ

原料値上がり?のために続くコーヒー値上げ

著者 鳥羽賢
2014年09月25日

コーヒー大手のUCCが、11月1日から家庭用レギュラーコーヒー約60品目を、平均で約25%値上げすると発表した。UCCは値上げの理由を、「コーヒー豆の値上がりと円安によるコスト高のため」と述べている。

NY市場では高騰していない?

UCCは値上げを「コーヒー豆の値上がりのため」としているが、本当にコーヒー豆が値上がりしているのか、ここで検証してみよう。ちなみに、かつては東京の先物市場でコーヒーの2銘柄、アラビカとロブスタが取引されていたこともあった。しかし取引量が伸びなかったため、現在では廃止されている。現在コーヒー豆の国際的な価格を見るためには、NY先物市場のコーヒー銘柄を見ることになる。

NY市場でもアラビカとロブスタの主要2銘柄が取引されており、取引単位は1ポンド(約0.45kg)あたりとなっている。

ここではアラビカの価格推移を検証してみる。アラビカコーヒーは、2009年頃までは1ポンド=100~140セント前後で比較的価格が安定していた。しかし2009年以降、「バブル」のように価格が急騰し、2011年春には300セントと2年前の倍以上となる。

この時は価格上昇の原因についていろいろ言われていたが、どれも明確な回答にはなっていない。例えば、「コーヒーの産地・ブラジルで消費が拡大したため、需要が増大して価格が高騰した」という説もあった。しかしアラビカコーヒーの価格は2011年春以降「バブル崩壊」のように急激に下げ、2013年末には100セント強まで戻している。この間、ブラジル経済が縮小したわけでもないので、ブラジルの消費拡大だけでは2009~11年の価格高騰は説明がつかない。

そして今年に入り再びアラビカコーヒー価格は上昇。春には220セント前後をつけた。しかしその後は上昇せず、9月25日現在で価格は180セント付近にある。これを見る限り、そんなに極端なコーヒー豆価格の高騰は起こっていない。

となると、コーヒーの原料高の原因となっているのは、やはり円安だろうか。8月中旬以来円が急激に売られ、すでに米ドル/円が110円近くまで来ている。結局のところ、「コーヒー豆の価格高騰による値上げ」という単純な話ではない。

USDJPY日足チャート

ただしNY市場の価格だけでは分からない、特殊なコーヒー銘柄もある。それが『ブルーマウンテン』だ。『ブルーマウンテン』は高級コーヒーとして日本で親しまれているが、これは実は日本でしか売られていない、というより人気がない。

『ブルーマウンテン』は、ブラジルやベトナムなど他の主要生産国ではなく、ジャマイカで生産されている。そしてジャマイカは2012年に襲来したハリケーンのために、コーヒーの生産が甚大な被害を受けてしまった。そのために需給状況が逼迫しているのは確かなようだ。UCCは他のコーヒーに先駆けて9月1日から『ブルーマウンテン』の価格を約40%値上げしている。またキーコーヒーは一部の販売を休止した。

今年春にはアメリカのスタバでもコーヒーの値上げがあるなど、最近コーヒー価格の上昇が続いている。しかし実際には、銘柄ごとにいろいろな事情がある。

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