関税を巡る日米交渉が続いているが、4日に加藤財務相が関税交渉のカードの1つとして日本政府が保有する米国債売却については「考えていない」と発言した。日本は世界最大の米国債保有者だが、売りたくても売れないことになる。
最初に簡単に説明しておくと、長期金利とは10年物国債の利回りのこと。国債には株式市場と同様リアルタイムに売買される国債市場がある。そして国債市場における国債の価格と利回りは反対に動く性質がある。
国債が買われて価格が上がると利回りは下がり、逆に売られて価格が下がると利回りは上がる。2年物、5年物などの国債利回りは短期金利と言われ、10年物国債の利回りが長期金利と言われる。
アメリカにも国債と長期金利があり、日本政府は2025年2月現在で1兆1259億ドル(現在のレートで約162兆円、以下同じ)もの米国債を保有する世界最大の保有者となっている。なお中国政府は同じ時期に7,843億ドル(約113兆円)保有していた。
基本的に国債を保有している投資家は、それを売りたい時に市場で売ることができる。ただし株と同じで大量の売りが出れば価格が下がる(利回りは上がる)し、逆に多くの買いがあれば価格は上がる(利回りは下がる)。
日本政府は世界一多くの米国債を保有しているので、日本政府が本気になって国債を市場で売りに出すと価格が暴落(利回りは暴騰)して大変なことになる。だがそのような状況である以上、日本政府はそれをアメリカとの関税交渉の材料に使うことができると考えられる。
つまり脅しと言うと言いすぎかもしれないが、米政府との交渉時に「こちらの条件を飲めないなら米国債を売らせてもらいます」と突き付けることを交渉カードの1つとして用意することも可能なはずだった。
しかし4日に加藤財務相がイタリアで会見を行った時米国債売却について聞かれたが、それに対する答えは「(日本政府が保有する)米国債の売却を日米交渉の手段とすることは考えていない」であった。日本政府は米国債を売らないだけではなく、それを交渉手段に使うつもりもないようだ。
1997年には当時の橋本龍太郎総理が米国債の売却を示唆する発言を行ったことで、国債市場では米国債の利回りが急落し、NY株式市場も下落したことがあった。これは明らかな失言として見られるようになり、その後日本の政治家が同様の発言をすることは一切なかった。
つまり今のところ日本は世界最大額の米国債を持っているが、それを売ることや売る意思があることの表明すらできない状態にある。残念なことではあるが、同盟国で重要な貿易相手国であるアメリカの市場が混乱したら日本にもダメージが大きいのでそうするしかないのが現実だ。
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