日銀の追加利上げ観測と政府の財政赤字拡大を懸念して、国債市場では特に長期国債の利回りが上昇している。利回りの上昇は価格の下落を意味するため、国債を保有する銀行や保険会社で含み損が拡大している。
最初に簡単に説明しておくと、長期金利とは10年物国債の利回りのこと。国債には株式市場と同様リアルタイムに売買される国債市場がある。そして国債市場における国債の価格と利回りは反対に動く性質がある。
国債が買われて価格が上がると利回りは下がり、逆に売られて価格が下がると利回りは上がる。2年物、5年物などの国債利回りは短期金利と言われ、10年物国債の利回りが長期金利と言われる。また20年物以上の長い償還期間の国債の利回りは、超長期金利と言われる。
そしてここ数年、日本の短期金利、長期金利、そして超長期金利が全て上昇、つまり国債が売られて価格が下がっている。特に長期金利と、30年物や40年物国債利回りである超長期金利の上昇が著しい。
利回りを上昇させている要因はいろいろあるが、まずは日銀がそれまで続けてきた長短金利の誘導目標レンジ政策、つまりイールドカーブ・コントロール政策を、2024年3月に終了したこと。
そして2024年から今年にかけて何回か利上げを行い、今後も追加利上げを行う見通しが残っていることも国債利回りの上昇要因となっている。さらにここ数ヶ月は参院選前後に多くの野党が減税政策を打ち出してきたことで、日本の財政赤字拡大懸念が高まりそれも国債売り要因になった。
とはいえ問題は日本の銀行や保険会社など、多くの金融機関が日本国債や社債など日本の他の債券を持っていることだ。とくにゆうちょ銀行(銘柄コード:7182)は、昨年9月末時点でも45兆円弱もの日本国債を保有している。
国債利回りが上昇することは価格の下落を意味するので、利回り上昇によって国債を保有している金融機関の含み損が増える。これはあくまで含み損で、償還まで持っていれば実現損失にはならない。ただし会計上、含み損が50%を超えると減損処理をしないといけないルールがある。
日本生命保険は今週7日に4~6月期の決算を発表し、その中で6月末時点の国内債券の含み損が4兆1637億円であると公表した。
千葉信用金庫は昨年からの国債価格の下落を受けて継続的に国債の損切りを行い、その結果自己資本比率が経営健全性の目安とされる8%を割って7%台になった。現在は2026年3月期中にそれを8%台に回復させるために動いている。
栃木信用金庫も同様に国債の含み損によって財務状況が悪化したため、最近になって信用金庫の全国組織である信金中央金庫が資本支援を決定した。
このような事例に見られるように、国債価格の下落、利回り上昇のために日本の国債や社債を持つ金融機関にだんだんとダメージが表面化してきている。国内の物価高はまだ止まる気配がないため、日銀は今後も利上げをしていく可能性が高い。また今後は政府が減税政策を実施する可能性も高まっている。
そうなると今後さらに国債利回りが上昇して、国債などを保有する日本の銀行や保険会社などに財務的な影響が出る。それを避けたいために日銀はなかなか利上げができないのだが、現状では今後もう一段の利上げを行うことはなかなか避けられそうにない。
この書類に含まれる素材はiFOREXではなく、独立した第3機関により作成されたもので、いかなる場合においても、直接的・間接的、明示的・暗示的にかかわらず、投資に対する助言や、金融商品に関する投資戦略の推奨、提案として解釈すべきものではありません。この書類に含まれる過去の実績や、それに基づくシミュレーションは将来の成果を保障するものではありません。
すべての免責事項はこちらをクリックしてご確認ください。
iFOREXは数百銘柄の通貨、仮想通貨、商品、指数、ETF、株式をCFD形式で取引することができます。
方法は簡単、3ステップでCFD取引を注文できます。
iFOREXに今日参加すれば、次の素晴らしい特典パッケージがあなたのものに
25年以上信頼されるサービスプロバイダー
iFOREXグループは業界で最も大きく尊敬される企業の一つです。1996年に成功した銀行家のグループにより設立され、世界中の人の毎日の市場へのアクセスが目標です。
3つの主な約束
私たちは、提供するグローバルな取引商品の多様性と、使用する革新的な技術、常に向上し続けるカスタマーサービスで、業界のリーダーであり続けます。