仮想通貨高とともに上昇の米国株

年明け以降仮想通貨市場が好調で、ビットコインはすでに1,000万円が目前になっている。仮想通貨市場の好調によって仮想通貨だけではなく、米株式市場の関連銘柄が上昇している。

取引所のコインベースなど

　2024年が明けてから仮想通貨市場が好調な動きを見せている。きっかけは1月にアメリカでビットコインETFが承認されたこと。もともと昨年秋から承認の見通しが高まったことで特にビットコインが上昇していた。

　その後1月11日にはついに承認され、直後は「噂で買って事実で売れ」の格言通りやや下落した。しかし売りが一巡するとその後は上昇。さらにビットコインは4月上旬頃に半減期を迎えることも買い材料となっている模様だ。

　2月末以降はもはや暴騰と言っていい動きになり、2月下旬時点で770万円だったビットコインはその後約1週間で200万円も上がり大台の1,000万円に近付いた。またイーサリアム他多くの仮想通貨も同様に急上昇している。

　仮想通貨市場がこれだけ好調だと、株式市場における仮想通貨関連銘柄も同様に上昇していても何ら不思議はない。しかし日本の株式市場には、まだ純粋に仮想通貨事業だけの企業で上場に成功した銘柄はない。

　一方アメリカの株式市場にはすでに仮想通貨企業が複数上場しているので、仮想通貨高とともに上昇している米国市場の仮想通貨関連株を見てみる。

　まずマラソン・デジタル・ホールディングス（銘柄コード：MARA）というマイニング企業。この企業は以前は特許関連の事業を行っており、社名も違うものだった。仮想通貨が普及してからマイニング企業としてスタートした。

　2022年の仮想通貨市場低迷期は株価も3ドル台だったが、その後反発して昨年秋時点では8ドル台に。そして秋以降の仮想通貨高で株価も上がり、3月1日の終値は27ドルと2022年時点と比べると10倍に近い。

　またライオット・プラットフォームズ（銘柄コード：RIOT）というマイニング企業もある。こちらは2022年秋には7ドル台だったが、最近は14ドルと当時の2倍まで上昇してきた。

　そして仮想通貨銘柄の本命が大手取引所のコインベース（銘柄コード：COIN）だ。コインベースはアメリカの大手仮想通貨取引所としては初の上場銘柄だった。コインベースは2021年春に上場し、当時は仮想通貨ブーム中だったため直後に株価は400ドルを超えた。

　しかしその後株価は低迷し2022年には30ドル台と高値の10分の1未満になり、投資家を大いに失望させた。だがそこから反発して3月1日の終値は205.77ドル。上場高値にはまだ遠いがかなり復活してきた。

　そして仮想通貨事業を行っていないのだが、事実上の仮想通貨銘柄となっているのがマイクロストラテジー（銘柄コード：MSTR）だ。同社はソフトウェアの企業だが、数年前からビットコインを大量に買ってきたことで「世界一多くのビットコインを保有する企業」と言われるようになった。

　今年3月現在ですでに19万枚も保有しており、ビットコイン価格が1,000万円ならその時価総額は約1兆9000億円にもなる。

　同社の株は2021年の仮想通貨ブーム時に1,350ドルまで高騰した後、仮想通貨の低迷で2022年12月には132ドルと約10分の1まで暴落した。しかしそこから切り返し、3月1日の終値は1,079.39ドルだった。

　これらの銘柄は仮想通貨市場と同調して動くことが多いので、今後仮想通貨の代わりにこれらを買うという選択肢もある。なぜなら、米国株なら新NISAを使って非課税の投資もできるからだ。