今週の金融市場の動き総括、10月4～8日

今週は米9月ADP雇用統計と米9月雇用統計が発表された。また豪とNZの政策金利発表もあった。その一方で米債務上限問題によって週前半の株式市場は先週から引き続き軟調だったが、米で両党が合意したことにより後半は切り返した。

7日に米で両党が合意

　今週は米9月ADP雇用統計と9月雇用統計が発表された。6日水曜に発表された9月ADP雇用統計は、予想の前月比42万8000人増に対し発表は56万8000人増と大幅に上回った。8日金曜に発表された9月雇用統計は、予想が前月比50万人増だったが発表は19万4000人増と予想よりかなり低い数字だった。

　また今週はオーストラリアとニュージーランドの政策金利が発表された。5日火曜に発表された豪政策金利は予想通りの0.1％据え置きだった。6日に発表されたNZの政策金利は、予想通り0.25％の利上げが発表されて0.5％となった。

　今週は先週までに引き続き米債務上限問題が市場を大きく動かした。アメリカではそれまでの債務上限撤廃措置が7月末をもって失効し、10月にはデフォルトの危機に直面。デフォルト懸念から株式市場も軟調な動きが続いていたが、7日木曜には民主・共和両党が12月までの債務上限措置で合意してこの問題は一旦落ち着いた。

　先週は5日連続下落した日経225平均は、今週前半も下げが続いた。4日月曜に327円下げた後、5日に622円、6日に294円と下げが続き2009年以来の8営業日連続安に。しかし7日になってようやく150円上昇し、8日も370円続伸した。

　NY株式市場でもダウ工業平均は4日に323ドル下落したものの、その後は5～7日と3日連続上昇。米9月雇用統計が低調だったために8日は8ドル安と小幅下落で終わり、週足では420ドル高だった。

　先物市場では今週も原油が堅調だった。4日には産油国が会合を開き今後の増産幅を月あたり日量40万バレルで維持することで合意。追加増産は発表されなかった。週明けは75ドル台だったNY原油は週前半に上昇し6日には79ドルをつけて今年の最高値に。7日に一旦下げたものの8日に再度上昇して2014年以来の80ドルをつけた。

　為替市場では米長期金利が1.6％台まで上昇したことを受け、米ドルが上昇。米ドル/円は週の終了間際に2019年以来となる112円をつけた。また他のクロス円通貨も円安に動いた通貨が多かった。

　仮想通貨市場は堅調で、4日朝方には530万円台だったビットコインは週を通して上昇。特に6日夜に数十万円上昇し5月以来の600万円をつけ、その後は週末まで600万円台に留まった。

　来週は13日水曜に米9月消費者物価指数が発表され、前年同月比＋5.3％、食料品などを除いたコア指数では＋4.0％と予想されている。それ以外に重要な指標は米9月小売売上高くらいで材料が少ない週なので、米債務上限問題が解決した以上株式市場の上昇が期待できるかもしれない。