今週の株式・外国為替市場の動き総括、8月7~11日

筆者 鳥羽賢 |

今週は週半ば以降に北朝鮮懸念で円高・米ドル安が進行した。

 今週は特に重要な経済指標や政策金利の発表はない週となるはずだった。そして日本にとってはお盆休みに入る週だった。しかし懸念されていた北朝鮮情勢が週半ば以降に悪化し、円高・株安が急激に進行した。

先週の総括記事はこちら。

 

米ドル/円は108円台に

 

 今週は重要な発表は少なく、ニュージーランドの政策金利やアメリカの7月CPIくらいだった。そしてそれらの発表はほぼ予想通りで、サプライズにはならなかった。

 だがその一方で、最近数週間~数ヶ月の間に悪化が続く北朝鮮情勢への懸念が急速に増大。きっかけは8日火曜(日本時間9日水曜未明)に米トランプ大統領が北朝鮮に対する軍事行動も辞さないという趣旨の発言をしたことと、10日木曜(日本時間11日金曜未明)に、北朝鮮がグァムに攻撃した場合は報復をするとの発言をしたことだった。

 NY株式市場は最近堅調で7日月曜までダウ工業平均が10営業日連続で上昇していたものの、8~9日にかけて連続安。そしてトランプ大統領が報復を示唆する発言をした10日には、200ドルもの大幅下落となった。

 地政学的リスクの高まりを受け、為替市場ではリスク回避の円買いが進行。今週を110円台からスタートした米ドル/円は、8日以降は円高・米ドル安が続き11日には一時4月以来となる108円台半ばまで下落した。

 また国内株式市場にもやや大きな動きがあった。6月下旬以来今週まで1ヶ月半ほど、日経225平均は19,800~20,200円の非常に狭いレンジで動いていたが、今週になってついにそのレンジをブレーク。9日水曜には19,700円台まで下落した。

 10日にはあまり下がらなかったが、その日の夜から11日にかけてNY株が大きく下げたことから国内外の日経225先物は19,300円台まで暴落。来週の14日月曜はその水準から始まることが予想される。

 先物市場では「有事の金買い」の言葉通り、今週は一貫して金が堅調。NY金 [i] は1,255ドルから今週をスタートし、週の終わりまでに1,290ドルをつけ昨年11月の米大統領選前後以来となる1,300ドルに迫った。

 なお原油の方は今週前半は上昇し10日には一時節目の50ドルを回復。しかしOPECの7月産油量が増えていたと発表されたことから大きな下げが始まり、11日には48ドルを割り込む場面も見られた。

 来週は主要国の政策金利発表はないものの、日本、ドイツ、ユーロ圏の第2四半期GDP発表がある。しかし最も金融市場にとって大きな材料になりそうなのは、今週に引き続き北朝鮮情勢となるだろう。アメリカと北朝鮮はどちらも歩み寄りの気配を見せないので、この問題はさらに悪化するかもしれない。来週はお盆休みを終え日本の投資家が取引を再開する週となるが、休暇明け早々に大きな動きに直面する可能性もある。



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筆者について
鳥羽賢

慶應義塾大学経済学部卒業。輸入業務に従事後、ライターとして2003年より主に経済分野を中心に執筆活動を行う。企業トップへインタビューした上での、ビジネス記事執筆経験多数。ポータルサイト『オールアバウト』では、「世界のニュース・トレンド」テーマなどで、数年間政治・経済ニュース記事を執筆。FXの専門誌『月刊FX攻略.com』でも各通貨ペアの特徴解説など、FX攻略記事を執筆した経験がある。主な著書に、『とにかくわかる! FX超入門者』(すばる舎)などがある。翻訳活動も行い、FX投資教材の翻訳を中心に、金融分野の翻訳実績も多数。自身でも投資を行い、FXのトレードも2006年以来7年以上にわたって継続している。