今週の株式・外国為替市場の動き総括、7月27～31日

今週は米第2四半期GDPが発表され、前期比年率で－32.9％と1947年の四半期統計開始以来最悪の数字となった。この統計や円高の進行、そして国内の感染者数の急増を受け、日本の株式市場が週後半に大きく下落した。

日経平均は1,000円以上下落

　今週は30日木曜にアメリカの金融政策が発表され、政策金利・量的緩和ともに据え置きだった。そして今後も緩和政策を長期間続けていく姿勢が確認された。

　さらに今週は主要国の第2四半期GDPが多く発表された。その中でも最も注目された30日の米GDPは、予想が前期比年率－34.5％だったのに対し、発表は－32.9％だった。

　同じ日に発表されたドイツの第2四半期GDPは、前年同期比で予想より0.2ポイント悪い－11.7％。翌31日金曜に発表されたフランスは前期比で－13.9％。同じ日に発表されたユーロ圏は、前年同期比で予想が－14.5％、結果が－15.0％とどこも過去最悪レベルの悪化だった。

　これらの悪い統計や米中関係の悪化懸念などを受け、今週は米ドル/円が大きくレンジブレークした。米ドル/円は4月中旬以降、107円台を中心とした狭いレンジに留まり、時々レンジを抜けてもすぐに戻ってくるという状態が3ヶ月あまり続いた。

　日本が先週の4連休に入る前の22日も107円台にあったが、4連休中から下落。今週開始時点では106円付近にあったレートが27日から30日まで一貫して下げ、31日朝には今年3月以来となる104円台前半まで円高になった。しかしそこから急激に反発し、今週の終値は106円近くだった。

　円高の進行とともに日本国内のCOVID-19感染者数が激増していることから、今週は東京株式市場が特に終盤に暴落した。

　4連休明けの27日は日経225平均が36円安と小幅下落。28日火曜も小幅続落した後、29日水曜は260円安と大きく下げた。そして最終日の31日には629円も暴落し、22,000円を割った。これで今週は5日全てで下落。先週水曜から数えて6営業日連続安となり、週足では1,041円安だった。

　NY株式市場は東京市場ほど下がらなかった。ダウ工業平均は27日に115ドル下げた後日替わりに上げと下げが続き、週足ではわずか41ドル安で終了した。

　先物市場では今週も金が暴騰した。週明けは1,900ドルからスタートしたNY金は、27日の上昇で早くも2011年につけた史上最高値の1,920ドルを更新。翌28日には一旦1,980ドルまで上昇した後調整で4％近く下げたものの、その後は週後半にかけて再び上昇し週の終値は1,970ドル台だった。

　来週はイギリスとオーストラリアの政策金利発表に、アメリカの7月ADP雇用統計と7月雇用統計発表がある。米7月雇用統計は前月比187万5000人増が予想されており、前月の480万人増よりは少ないがかなりの増加となる。ここで良い数字が出れば、今週崩れた株式市場が持ち直すかもしれない。