今週の株式・外国為替市場の動き総括、7月10~14日

筆者 鳥羽賢 |

今週は12~13日にFRBイエレン議長の証言が行なわれた。

 今週は12日水曜と13日木曜に行なわれたFRBイエレン議長の議会証言が最も大きな材料と見られていた。そして証言ではイエレン議長が最近のアメリカの低インフレ傾向について懸念を表明したため、その後為替市場で米ドル売りが進行した。

先週の総括記事はこちら。

 

イエレン議長証言後米ドル安

 

 今週は経済指標の発表が少なく、12~13日に行なわれたイエレン議長の米議会証言が最も大きな材料になると思われた。

 そして予定通り、12日には米下院の金融サービス委員会で証言。この中で、「インフレは目標を下回っており、最近は低下傾向にある」と述べ、アメリカ国内の最近の低インフレ傾向に懸念を表明した。一方翌13日には上院の銀行委員会で証言を行なったが、こちらは特に目立った発言は見られなかった。

 為替市場ではアメリカの景気の良さや利上げ予想などを受け、先週終了間際に米ドル/円が114円台まで上昇。今週も序盤は114円台を維持していた。しかし11日火曜になって、トランプ政権の疑惑に関し新たな悪材料が浮上し、113円台まで急落。

 そして12日にはイエレン議長の議会証言が行なわれ、それを受けて米ドルが続落。14日金曜に発表された6月CPIなどの米経済指標も予想を下回ったため、発表後に一時112円近くまで下落するなど、今週中盤以降は米ドルが売られ続けた。

 しかしNY株式市場の方は、低インフレのための米利上げペースが緩やかになるだろうという観測を受け上昇。ダウ工業平均は特にイエレン議長の証言以降上昇し、今週後半には史上最高値を更新。史上初の21,600ドルもつけた。

 米株高にも関わらず円高も同時に進行したため、国内株式市場はそれほど伸びなかった。週明けの日経225平均 [i] は上窓を開けて20,000円を回復して始まったものの、その後は伸び悩み20,100円台で推移。週足では189円高だったが、週開始時の窓開け部分を除くとあまり上昇していない。

 なお12日にはカナダが0.25%の利上げを行ない、政策金利を0.75%にした。カナダの政策金利はこれまで2年間0.5%に据え置かれていたが、ついに動いたことになる。この利上げを受け、カナダドル/円が87円台から89円台まで2円近く暴騰。しかしこの日以外ではカナダドルが売られることも多かったため、週足で見るとそれほどの上昇ではなかった。

 先物市場に目を向けると、先週は軟調だったNY原油が今週になると上げに転換。その背景にはアメリカが今後の産油量見通しを引き下げたことなどがある。今週のスタート時は44ドル台だった価格が、1週間で46ドル台まで上昇して終了。原油は6月中旬以降、44~45ドル付近の狭いレンジに留まるようになった。

 来週は日本とユーロ圏の政策金利発表がある。日本はともかく、ユーロ圏はかなり緩和縮小・引き締めの方向に向かう日が近づいていると見られている。そのため政策金利発表時やドラギ総裁の会見で、今後の緩和縮小について何らかの言及があるかどうかが注目される。日本・ユーロ圏とも、追加緩和はほとんど予想されていない。



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筆者について
鳥羽賢

慶應義塾大学経済学部卒業。輸入業務に従事後、ライターとして2003年より主に経済分野を中心に執筆活動を行う。企業トップへインタビューした上での、ビジネス記事執筆経験多数。ポータルサイト『オールアバウト』では、「世界のニュース・トレンド」テーマなどで、数年間政治・経済ニュース記事を執筆。FXの専門誌『月刊FX攻略.com』でも各通貨ペアの特徴解説など、FX攻略記事を執筆した経験がある。主な著書に、『とにかくわかる! FX超入門者』(すばる舎)などがある。翻訳活動も行い、FX投資教材の翻訳を中心に、金融分野の翻訳実績も多数。自身でも投資を行い、FXのトレードも2006年以来7年以上にわたって継続している。