今年のJPX400入れ替え銘柄が発表される

2014年から運用されている新しい株式指数JPX日経400指数は、毎年夏に銘柄の入れ替えが行われる。そして今年に入れ替えられる銘柄が、先週発表された。

今年は26銘柄が追加

JPX日経400指数（以下「JPX400」）は、2014年1月から運用されている比較的新しい株式指数だ。それは既存の日経225平均やTOPIXといった株式指数の欠点をカバーするために、新しく導入された。

日経225平均 [i] は構成銘柄数が225種と少なく、また株価が高い銘柄の寄与度が高くなる。そのためにファーストリテイリング（ユニクロ）など一部の銘柄によって影響されるところが非常に大きく、株式市場全体の動きを表わしているとは言えない。

またTOPIXは東証1部の全銘柄から計算されるが、こちらは時価総額を使って算出される。そのために一部の時価総額の高い銘柄に大きく影響され、日経225平均と同じく偏った指数になっているという指摘があった。

これらの欠点をカバーするために、新しい株式指数としてJPX400 が生まれた。JPXはその名の通り日本の株式市場にある400銘柄から構成されるが、それらは東証1部やマザーズなど複数の市場の銘柄から選ばれる。ただし現在の構成銘柄のほとんどは東証1部銘柄となっている。

そしてJPX400の銘柄は毎年夏に入れ替えが行われる。入れ替えにあたっては、各企業の過去3年の営業利益やROEなど、各数値を総合的に判断して追加銘柄と除外銘柄が選ばれる。そして今年の入れ替え銘柄が、先週発表された。

まずは追加銘柄から

マルハニチロ＜1333＞、西松建設＜1820＞、森永製菓＜2201＞、すかいらーくホールディングス＜3197＞、SUMCO＜3436＞、TIS＜3626＞、昭和電工＜4004＞、電通＜4324＞、エン・ジャパン＜4849＞、ポーラ・オルビスホールディングス＜4927＞、出光興産＜5019＞、JXTGホールディングス＜5020＞、コスモエネルギーホールディングス＜5021＞、ニチアス＜5393＞、古河電気工業＜5801＞、東プレ＜5975＞、テクノプロ・ホールディングス＜6028＞、ルクルート・ホールディングス＜6098＞、三井海洋開発＜6269＞、ゼンショーホールディングス＜7550＞、任天堂＜7974＞、日本ユニシス＜8055＞、丸井グループ＜8252＞、PALTAC＜8283＞、九州電力＜9508＞、カプコン＜9697＞

以上26銘柄。いろいろな業種にまたがっているが、石油元売り業界の大手3社が揃って入っているのが興味深い。去年から原油価格が回復してきているので、石油業界の業績は順調というところだろうか。

続いて除外銘柄

大王製紙＜3880＞、日本化薬＜4272＞、東洋ゴム工業＜5105＞、住友大阪セメント＜5232＞、ニューフレアテクノロジー＜6255＞、イーグル工業＜6486＞、日本航空電子工業＜6807＞、東京きらぼしフィナンシャルグループ＜7173＞、日信工業＜7230＞、ミツバ＜7280＞、リコー＜7752＞、セイコーホールディングス＜8050＞、サンリオ＜8136＞、高島屋＜8233＞、群馬銀行＜8334＞、スルガ銀行＜8358＞、ほくほくフィナンシャルグループ＜8377＞、中国銀行＜8382＞、山口フィナンシャルグループ＜8418＞、興銀リース＜8425＞、ジャフコ＜8595＞、カブドットコム証券＜8703＞、西日本鉄道＜9031＞、南海電気鉄道＜9044＞、バローホールディングス＜9956＞

以上25銘柄。こちらもいろいろな業種にまたがっているが、銀行が複数入っているのが目につく。日銀の異次元緩和政策が銀行の経営を圧迫している事実が、ここにも表れていると思われる。

ここで発表された今年の入れ替えは、8月31日に実施される。過去3年の業績を元にして選定されているJPX400の構成銘柄は、本当の意味で「買い」に値する企業かもしれない。